高田清太郎ブログ

NO.54 「食堂(ダイニング)」・・・・家族生活の中心空間に



エッセイ

デッキは屋外のダイニング(上)、

テーブル式と座卓式が同時に楽しめる食堂(右下)、さまざまなダイニングテーブルの位置(左下)

 

 

日本人と欧米人の生活の違いが最も顕著なのが食事の時間だとも言われています。ゆっくりと時間をかけて家族で一日の出来事をさまざまに話す。そんな時間帯です。
確かに忙しい現代、家族で共有する時間をどのくらい取るかを平成版エンゲル係数と言ってよいかもしれません。食事に対する認識の違いが大きいことも事実 です。「日本人は働くために食べる」、「欧米人は食べるために働く」と手段と目的の違いを鮮明に断言されたことを覚えています。
一日の食卓は朝夕では違う家庭も多いのです。朝の忙しい時にはカウンター式のテーブル。しかし、夕にはどっしりと腰を据えて一日の締めを食事という行為 の内に行うことはとても肝要です。食事スタイルにはテーブル式、座卓式がありますが、年配の方はテーブルよりも座った方が…とか、日本酒をたしなむ方には 座卓式が余計に好まれているようです。家族が全員集まって食事するのですから、その食事スタイルは好み百出です。

テーブルの高さは変えたくたいとお考えのSさんの場合は、座る側の高さを変えることをお勧めしました。テーブルの半分はいすスタイルに、残りの半 分を小上がり畳を作り座卓風にすると年代をこえて一つのテーブルにつくことができます。四角いテーブルには方向性があり、家族の上下関係が着座位置に影響 してきますが、丸いテーブルはだれもが等しく発言でき和やかな空気が生まれてきます。
もし、とても大きく、長いテーブルがあり、ダイニングからリビングそしてデッキまで張り出していたら面白いかもしれません。「今夜の夕食はピザの宅配」だとしたら、季節の良い時には庭で受け取り、そのままデッキテーブルで食事を楽しめるでしよう。
食堂テーブルは子供の勉強机になったり、奥さまの家事テーブルになったりとその使われ方はさまざまです。このテーブルの周りには人が集まる不思議なエネルギーが潜んでいるのもうなずけることです。
食堂の役割は食物からの栄養を得ると同時に、家族とのコミュニケーションを通してエネルギーの授受が行われるところと少々いかめしくも定義できそうです。食する空間は家族生活の中心になることは間違いなさそうです。