高田清太郎ブログ

NO.55 「台所」・・・・「食」全体見つめ多様化



エッセイ

台所を中心にしたパフォーマンスステージ(上)、

リビングに置かれたアイランド型キッチン(左下)、いろり越しに飲み交わす酒はおいしい(右下)

 

 

住まいは戦後大きく変わってきました。なかでも台所は、それまで北向きの日が当たらない所に置かれ、主婦の城とされていました。確かに冷蔵庫という長期に食材を保存できる道具が出現するまでは、理にかなった方位でもありました。
しかし今は主婦の城としての位置にふさわしい、最も日当たりの良い場所に進出、共働き夫婦にとっては当番制で交互に料理をする家庭も増えたと聞いています。台所はキッチンと呼ばれ住宅建築雑誌もキッチン特集をすると収納特集と並んで雑誌の売り上げも伸びるらしい。
また現代は、スピードや機能を優先する時代です。食事空間にしても、作ること(キッチン)と食べること(ダイニング)を分離させることで、合理性を追求 してきました。手際良く短時間に作業するためにキッチンはシステム化され、自分の好みに合わせて選択する方法が一般的です。流し調理台の位置や形で、I 型、L型、コ型と分類されています。食堂テーブルとの関係で背面型、対面型、横置型、アイランド型という分類もあります。

Tさんはフルオープンのキッチンといえるアイランド形式のキッチンを採用。食堂空間などと組み合わせると最高のだんらん空間になります。見られて いるキッチンは、いつもきれいにしておくことで魅力的になります。ぐるりと回れる作業動線、キッチンにいても話の輪の中に入れるのがいいと好評です。
Kさんは、いろりのある茶の間をつくりました。ご主人の晩酌や友人との語らいには重宝しているとのことです。作りがら、楽しみながら、食する時代。社会が食べる楽しみから、作ることのプロセスを楽しむ円熟時代に入ってきたからだといえるかもしれません。
Mさんの場合はキッチン、ダイニング、リビング、畳をワンルーム化し、広がりあるだんらん空間を演出してみました。若者たちの集まる人気のスポット「お台場」は、なぜか「お台所」と似た響きを持っています。
「お台所」も食事を作るだけの機能にとどまらず、家族が集まり生活をパフォーマンスするステージ(台)と考えたらいががでしょう。
少なくとも食するという一連の行為全体を通して、「お台所」を見つめ直したいものです。