高田清太郎ブログ

餅まきは日本文化です。



建築/巣舞.間知.趣舞

“100年に一度の津波がやってきた!”とグリーンスパンが言った。そしてその津波(サブプライム津波)は、一瞬にして世界にくまなく行き渡り日本にまでやってきた。「景気がいまひとつぱっとしない!」「うちは土砂降りだよ!」「業界ごと吹っ飛びそうだ!」「週休2日?良いじゃないの、うちは就業2日だよ!」と挨拶代わりに交わす言葉に、今後ずっと永久に暗いトンネルに突入して、二度と出ることが出来ないような響きを持っている。
全ての経済活動が休止する?地球の自転が止まるような錯覚に陥る。ある状態が5年も続くと今後とも半永久にその状態が続くと勘違いしてしまう。10年も続けば、それこそ永久的な常態と感じるだろう。〔ロスト・デケード〕
しかし、歴史を見ると必ず周期を持って上向き・下向き・横ばいが続くことも皆、納得済みでもある。住宅着工数が年間120万戸時代〔過去190万戸まで届きそうな履歴を持つ〕から80万戸時代に突入と言う。実感はそれよりも下回りそうである。
少子高齢化に加えて長寿命化住宅の普及で誰もが見えている未来でもある。そして、業界人にとっては同時に準備をしなければならない未来でもある。
景気後退の時なのだから住宅着工数の激減も当然。ところがである、ピンチはチャンスの裏返しでもある。政府は様々な景気対策の中でも住宅所得者に対する支援策に大きな比重を置いているのも事実である。正に巣舞づくりの人たちにとっては、今までに無い程の大きな応援風が吹いている。低金利政策・返済期間長期化政策・贈与税減税・ローン減税・免税点とより取り見取りである。
そして何よりも建築業者も必至で、良い品質をリーズナブルに作ろうとするチャンスである。
今こそ巣舞づくりを!想いうかべて下さい。上棟風景を!一灯も暗ければ暗いほど明るく光を感じるものである。
巣舞づくりは人生の大事業:中でも上棟日は、子供・初孫の誕生日にも似た喜びをかみ締めるものである。晴れ舞台中の晴れ舞台である。
上棟当日の夕方近くになると何処からとなく、子供達が大人たちの手を引っ張って餅拾いに集まってくる。撒きものは餅〔隅餅・紅白きり餅〕・お菓子に加えて・5円玉〔ご縁があるように〕・50円玉〔ご縁を重ねる様に〕である。
そもそも上棟式がある工法は日本の気候風土にあった伝統文化である。日本は高温多雨多湿地帯である。まず屋根を覆い雨から建物本体を守る工法である。2X4や組石造であれば下から積み上げていく工法だから、屋根からおさめていくという発想自体が生まれない。〔これらの工法は乾燥地帯の住宅工法である〕
子供達はよ~く知っている。工法の違いを。餅まきする建築工法を。単なる餅拾いではないのである。これは日本の気候風土に根ざした建築工法であり、日本の文化としての上棟式・餅まき・餅拾いである。
屋根の上で上棟を仕切る棟梁にとっては、つくる腕の見せ所でもあり。餅をまく棟主にとっては私がこの建物の主の宣言でもあり晴れ舞台の絶頂でもある。何よりも餅まきのその瞬間には不景気の追い払い〔祓い〕でもある。
それにしても弊社がお手伝いさせていただく上棟式には、なんと多くの人たちが餅拾いに集まってくれることだろう。巣舞人に贈られる祝福の拍手は、永久に忘れることのない感動シーンでもある。
良き伝統:上棟式と餅まきは景気不景気に関わらず今後とも無くしたくない日本伝統のひとつである
   ・いよいよ上棟式前準備         ・秋山孝先生〔左〕と上棟式に参列 ・多くの人々が集まってくる。

  
・隅餅をまく親子        ・切り餅をわしづかみにしてまく    ・一生懸命に餅拾う子供たち