施設・店舗建築事例

喜多町診療所 「Freespital」

『kitamachi
freespital』は、患者に肉体的メンテナンスから一歩踏み込んだ治療を行うため、このたび増築計画が企てられました。『kitamachi
freespital』は、透析患者が一般の人々と同じように生活をおくるためにエネルギーを補給するための場所であり、また患者に精神的にもエネルギーを補給するための居場所であってもらいたいと願って計画されました。そこで、この計画では透析患者は専用玄関に加えて、正面アールの壁に囲われたエントランスより中に入ります。中に入った患者はエントランス・ホールのrcの厚い壁の後ろに隠れている階段を昇って2階にへと向かいます。2階に昇った患者は、カウンセリングルームを抜けて、人々が集うラウンジの中を点々と明かりのともる列柱に導かれ更衣室へと向かいます。患者はこのどこか幻想的なヒーリング・プロムナードを通ることで徐々に社会的ストレスから解放されて透析室へと向かいます。透析室に入った患者は大きな室でありながらもポストエンドビームのアーチで視覚的にゾーニングされた自分の居場所に到達いたします。そこで患者はやわらかな光に包まれながらエネルギーを補給することになります。この時間は透析患者にとって精神的にもリフレッシュすることのできる時間となり、透析患者であるがために得ることのできる貴重な時間となればと願っています。エネルギーを補給した患者は再び生きがいという気力に満ち溢れ、再び社会へと戻っていくことでしょう。

また、初めて治療を受ける人にとっても、透析室が今まで自分のイメージしていた「人を閉じ込めるような白い箱」ではなく、「人をやさしく包み込むような居場所」であることに共感を受けるでしょう。

更に、『kitamachi freespital』は今までの肉体だけの治療から一歩踏み込んだ、メンタルケアーを受ける空間であることを目指しました。この空間が、我が家に加えて「ホッ」とする居場所にならんことを願っております。

透析患者の重荷からの開放は、現代医学の進歩と臓器提供者によって、希望が大きく膨らんできました。それでも、家庭生活、社会生活に加えての医療生活の空間は延べにして強大なものであります。医学がますます進歩することを願い、その中で私たちに課せられた課題は、その時間と空間が少しでも豊かに、快適にされることを願っての一つの提案としてのプロジェクトです

 

 

社会と透析室の中間に設けられたのが、リカバリールームです。このリカバリールームは、社会生活の時間軸から医療行為の時間軸への強制的ではない、自然なやさしいきりかえ空間です。

 

 

正反対の要求をハイブリッドに表現してみました。

①アーチは、包み込もうとする安心感を与えるものであるが

同時に重さが生まれる

②スリットは、軽快感を生むが、同時に開放を助長する。

 

 

人間

健康な人間

創造者がねんごろに手をかけて完璧なまでに息を吹き込まれたタブロー

そして、時間と共に欠損を生じる人達

心が欠すると身体も欠する

身体が欠すると心も病む

その時こそ 自由人が重荷を背負う時でもある

病を癒そうとて病院に来たり

一定の場所にとどまり治療を受け メンテ完了してまた社会に復帰する

しかし、通院して定期的治療せねばならない障害もある

透析患者はその一つである

楽しさが繰り返されればさらに大きく

逆に、一時的なものであれば耐えられる辛さも

繰り返される分だけ大きくなる

生命維持装置を欠かれた人間に

心の平安を求める 与える空間は必ず存在する

重荷からの解放『フリースピタル』の提案

空間

私通は常に外部環境から守られねばならない

人はdnaの中に「守られる=囲われたい」記号をもっている

その昔先祖達は洞窟で身を守った

ちょうど産声をあげる前に母の胎の中に十月十日すまう様に

やがて 人は自然災害の水害から身を守るために

     外的野獣から身を守るために    高床式へ

人が落ちつける居場所は やはり璧を背にしたり

大黒柱の片紬に腰をおろしたり

魚は淀みや杭の周りに集まる

魚のたまる場所は 人達の居場所の一つを案じしてくれる

守られたいことが高じて囲いが強くなると

人は閉じ込められてしまいがちである

囲いはいきすぎると 『囚』になってしまうものだ

人は3次元的空間に閉じ込められるだけでなく

ついには自分の思考形態の中にまで 囚じられてしまうのだ

自由よ!汝 空間の自由は精神的な自由の前にこそ ひざまづくのだ

私達は希望を食べて生きている

感動の居場所を得て 生きることに喜びを見いだし

                活力を見いだす

快感の居場所は身体さえも若返らせる

感動の居場所は囚じこめられた心を解放してくれる

prissoner → freeman =に人は活きる

そんな人の心を解放してくれる空間をfreedom + hospital=『freespital』と名付けよう

 

夜景 全景

上の方に列なっているスリットの窓は、とかく重くなりがちな天井に軽快感を与えてくれます。

夜、スリットから漏れてくる明かりで、屋根が浮いているように見えませんか?

室内から見える東山連峰は、アーチフレームに溶け込んでくれます。

玄関ホールは、患者さんを迎え入れるための演出がされています。

正面に現代のアブストラクト床の間をアレンジしてみました。

エンジの柱は床柱、黒い飾り棚は床板、黄色のevの扉は掛け軸をイメージしています。

ビー玉が埋め込まれた床は、上足と下足の区別をするための場所です。

素足で、健康指圧の場所でもあります。

 

 

 

 

 

 

リカバリールームの天井は、上に上がるに従い色がだんだん濃くなっていき、最後には壁のオレンジ色という風にグラデーションがかかっています。

リカバリールームは、音響室でもあります。
柱についている照明は、「ミミファソソファミレ」という音符を表しています。音符に合わせておけさ笠が踊りだしそうです。

 

 

大きな空間は、とかく無機質に見えがちです。

9本のフレームで8ブロックに分ける事により、居心地のよいスペースを作り出してみました。照明計画は、基本的に間接照明になっております。マイルドな室内空気を作り出してくれます。

↑透析室の前には「freespital」という室名札がかかっています。

「freespital」とは、人の心を重荷から開放してくれる空間を意味する造語です。

個空間を大切にしました。3床に一つづつ付いている上下式の傘は、下まで下げることで患者さんのプライバシーを守ります。

また、傘の上下や照明の点灯は患者さんのその日の気分で操作してもらいたいと思います。

病院施設は、一方的に空間化されがちであるが、サービスを受ける人達(患者)が自主的に自分の空間を作り出すことが第一歩の提案です。

マグネットつきの三角の小窓は、閉じていると落ち着いた木目、開くと元気の出る原色の色が現れます。

小窓を開いてロールスクリーンを上げると外の様子をのぞくことができます。

正面の床の間の向こうには、ロッカールーム

右側の廊下はヒーリングプロムナードでありリカバリールームへとつづく。

 

 

十字型をした埋め込み照明と円形にくりぬかれた天井の間接照明は、単調になりがちな天井を演出してくれる

ヒーリングプロムナードは、透析室のアーチの相似スタイルをとりイメージの中で、点と点がつながり全体の一体感を作り出してくれる

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