高田清太郎ブログ

NO.67 「わが家の舞ストーリー」・・・・目に見えぬ思いを形に



エッセイ

それぞれのわが家の舞ストーリー。

ブレーメンの音楽隊の家(左上)、巣舞ネオトピア(右上)、はさぎの家(左下)、多塔屋根の家(右下)

 

 

「大人になったらなりたいもの」(2000年男子)の1位「野球選手」、2位「サッカー選手」、3位「学者・博士」、4位「大工さん」。
これはある生命保険会社が全国の幼児から小学生を対象に12年前から毎年実施しているアンケートの結果です。 「大工さん」は98年にNHK朝の連続ドラマの後押しもあり1位になって話題になりましたが、だいたい4位から6位と変わらぬ人気を保っています。
そもそも大工さんは、英語では「カーペンター」。響きもいい!同時に大+工はアーチ+テクトの合成語でもあり、直訳すれば「アーキテクト=建築家」その ものです。子供たちにとってはスポーツ選手と同様に「物を作る」ことの魅力は大きい証明です。わが社の入社試験にやって来る若者に「私と建築」という作文 を書いてもらうことにしています。すると八割の人が、小さな時に自分の家や親類で大工さんの仕事を見ていて建築家になりたかったと言います。

ある現場で建築主の幼稚園の子どもさんが、大工さんあてに感謝状の手紙をくれました。「だいくさんへ、あたらしいかっこいいおうちをつくってくれ てありがとう。だいくさんがだいすきです。おうちができてだいくさんにあえなくなるのはさみしいです。(中略)とくにとうりょうさんが大すき、だってみん ながいないときもひとりでがんばっているからです」
現代は、仮想空間を何でもコンピューターで作り上げ疑似体験できてしまうすばらしい時代でもあります。しかし物をつくるときに生まれる人間の汗や息遣い や空気は、現実でしか感じることができません。バーチャルの時代感覚が人間の感覚や関係を変えるとさえいわれるなかで子供たちは自分の目で見て、感じ、 しっかりと地に足をつけて世の中を見ています。なんともたのもしい限りじゃありませんか。
私はすまいを「巣舞」と呼んでいます。巣は目に見える形、舞は目には見えない想いと定義しているからです。まず想いありきです。想いが形になり、わが家 の物語、マイ(舞)ストーリーを誕生させるのです。そしてわが家の舞が街の景観になり街の物語になります。ヒストリーの誕生です。歴史は文化を担い、より 豊かな個性を醸しだしてくれます。一つひとつの住まいづくりは、実は街の文化を生み出しているのです。