高田清太郎ブログ

宇宙戦争が始まった。



エッセイ

本当に今年の冬は大雪になってしまった!先週のブログでは大雪のようである!などと悠長なことを言っていたが、ついに新潟県内の各所で大雪注意報がでている。このまま続くと警報になるのも時間の問題である。我が社のある長岡市摂田屋は1.5mを越えたようである。
一般的には木造住宅は1.5mを目処に屋根雪下ろしが始まる。勿論、積雪深ではなく積雪荷重であるから1.5m以下でも下ろさなければならないことが多々である。
魚沼地区や十日町では3mを超えたようである。
雪国の必需品・無くてならないものの一つに雪を融かす消雪設備がある。井戸から汲み上げた水の温度を利用して融雪するのである。井戸水は一年中一定で、12~14度を保持している。温度で融かすのである。
1gの雪を融かすのに80Cal必要である。その熱量を井戸水から受け取るのである。
一斉に井戸水の汲み上げが始まる。すると一気に水位が下がる。その場所によって違うが警戒警報が発令される。水位が15m下がると発令される地域、30mで発令される地域と様々である。地盤沈下の心配からである。1月28日、長岡市にもついに警報発令である。それでも長岡市は周りの市町村よりも地盤は良いほうであるのだが。
降り積もってからでは中々雪は融けにくいから、降り始めると同時に自動感知して井戸水を汲み上げる仕掛けが一般的である。
その立役者が降雪センサー(商品名:スノーコン)である。降雪を自動的に検地して信号を出す降雪検知装置のことを言う。原理は二つあって、一つは温度が0度C以下になれば雪と判断して信号を出す。もう一つは降ってくる雪の量・雪片の個数を一瞬にして数える。設定した個数を超えると自動的に井戸ポンプが稼動する仕組みである。(委細は長岡市にあるスノーコンを製造している会社を参照してほしい)
そんな頼みがいのあるセンサーだったのだが、弊社工場内の井戸水が夜中に雪が降っても作動しない。誰かが電源を切っているのではないか?原因を探求しようと話し合っていると、弊社会長がなにやら指差すのである。指の先の方向を見ると屋根に付けられている降雪センサーが何と“ごめんなさい”しているではないか?雪片センサーは雪が降ってくる上向きで無ければいけないのに下向きになっていたのである。これでは用を足さないはずである。では何故下向きになったのか?設置してある屋根は自然落雪式である。落雪側に接続廊下の屋根が飛び出た格好になっている。この屋根によって雪割りの役目をしている。落雪は自然的に横に拡がってくる。そしてセンサーを攻撃するのである。
直ぐに電気屋さんから来ていただき簡単に下向きにならない様に上向きに固定してもらう。これで大丈夫と思ったら、翌朝には再び雪の攻撃が始まる。
攻撃?雪君達にすれば折角長旅をして地面に落ちてきたのに簡単にその生命を融かしたく無いのが人情(?雪情)。そこで降雪センサーを破壊せよと言う命令が出たのである。言わば雪国の宇宙戦争である。
今年の冬は融かしても、融かしても雪が降り溜まる。自然攻撃は激化している。
そこで新潟県でも非常事態宣言を出した。雪消しセンサーを破壊する破壊工作隊が結成された。センサー君頑張れ!空から送り込まれた工作員雪に負けるな!かくして宇宙戦争が始まった。
ブログを書いている1月30日(日)16:00頃の情報では積雪量は明日までに山沿いで80cm平場でも60cmというではないか!新雪は軽いからそれ程心配ではないが積雪深にはドキッとさせられる。
先週に引き続き正確な情報が欲しいので28日(金)には屋根雪荷重を測定することにした。今回はサポートセンター摂田屋さまの屋根上の雪の重さである。構造設計は2m耐雪にしてある。データーの採取場所は雪が溜まりやすい屋根と屋根の間に設定した。積雪深は1.7mにも達していた。
サンプルは25cmX25cmX高さ1.7m雪の重さを量って屋根雪荷重を想定するのである。測定結果は比重は0.3とほぼ建築基準法で決められている多雪地の基準であった。
一般の家の面積を100㎡としたとき2mで比重0.3とすれば屋根の雪は60トンもあることになる。
アジア像が4~5t・アフリカ像が6~7tあると言うから、何と像が10頭もいることになる。これはギョギョギョである。
以前、どこかのハウスメーカーの展示場の上に像が載っているのを見た様な気がする。構造的に強いよというメッセージの発信であったと聞く。すると、10頭も屋根に乗っている雪国の建築は本当に凄いことなのだなーとあらためて確認した次第である。
2mと言わずに1m積雪でも像が5頭載かっているのであるから!視覚的にもサプライズ!
さて定点観測報告であるが、昨年末にリプチの森に建てたモニュメント“リプチの月”も一段目のフレームまで雪に覆われてしまった。

雪君達の継続襲撃を目の当たりにして宇宙戦争なる映画を何の脈絡も無く急に思い出した。散歩途中の写真探しが始まる。
数年前にスピルバーグ監督・トムクルーズ主演の「宇宙戦争」なる映画を見たことがある。地底深く太古から埋められていたという設定のエイリアン戦闘機が出現し、破壊と殺戮の繰り返す映像にゾッとしたことを覚えていた。
しかし、監督と俳優に期待していただけに余りにも唐突なシナリオとその表現に余り感動しなかったことだけを思い出した。
エイリアン戦闘機は特殊なレンズを組み込んだ触手を持って隠れている敵を探すのである。そんな写真を探しているのである。まだでてこない。漸く一昨年前の写真が見つかった。それでは今回はこの辺で失礼します。

   四方向散水スタイルのノズル      三方向散水スタイルのノズル     壁に取り付けられた一方向散水ノズル
 
昨年と同じ摂田屋兵馬俑が出現      ごめんしたセンサー+室外機の上に雪エイリアン

  
上向きに直されたセンサーを再度攻撃してくる工作員雪
   地底ならぬ雪底深くに埋め込まれたエイリアン植物が宇宙戦争のエイリアン戦闘機に瓜二つ

 
リプチの月も基台と一段目は雪に埋もれた!