高田清太郎ブログ

老人と豊人!四角(スクエアー)と菱形(ダイヤモンド)! 老人福祉施設と地域交流スペースの協演 サポートセンタ川崎の竣工式典が開催!



エッセイ

* 弊社の建築設計の仕事のジャンルに老人福祉施設関係がある。
・ かつて老人!老人と呼ばないでほしい!と言われたことがあった。では何と呼びましょうか?しかし答えは返ってこなかった。お兄さんやお姉さんでもいいのだが不自然でもある。では何故老人と呼ばれるのが嫌なのだろうか?私の性分からこのことに関して真面目に考えてしまった。その時のことを想い出す。
・ 老いる人である。老いた人である。老いるにはその先にある死への道を垣間見るからである。誕生成長には明るい未来がある。しかし死への道は暗く寂しさを覚えるのである。
・ 確かに肉体は細胞の寿命と共に老いるのである。しかし、肉体的側面だけで老人と呼ぶのは如何なものか?と自問すれば、精神的には必ずしも肉体的なものと比例しないのである。それでも肉体的な老化は精神的にも元気をもたらさないことは多々であるが。
・ 悟り人は言った:人は誕生と共に死への旅を始めているのである!と。迷い人は言った:時間と共に精神的にも思想的にも益々高揚するものである!と。
・ 老人と若者の違いの第一義は生きてきた時間の差であることを誰も異議を唱えないだろう?
・ 生きてきた時間は多くの出来事に出合い多くの風景を見てきた。多くのことを考え、時に喜怒哀楽に身を寄せた。さわやかに感動する時間を共有できる人も、その何倍も何十倍も割り切れない時間を共有できないままで背負ったことであろう。
・ 多くの経験はそのまま宝の山でもある。多くの経験を通して醸沸されて映し出されたスクリーンはとても豊かな映像に違いない。思考し、思索し、挑戦し、人生と言うタブローを作り上げていくのである。とても豊かな人である。
・ 私は箴言(バイブル)に書かれている14:10 「心の苦しみは心みずからが知る、その喜びには他人はあずからない。」
・ 「人は誰でも他人の苦しみをあずかり知ることが出来ない。又同時に他人の本当の深いところでの喜びを共有することが出来ないのだ」の言葉には強く共鳴するものの一人である。人の心は時間と共にとても深みを増していくのであろう。
・ 一方で老人であるが見方を変えてみれば豊人である。
・ 「老人から豊人へ!」・「老人福祉施設から豊人福祉施設へ!」いつか、きっと看板の架け替えが必要とされることであろう。
・ そして、この度のサポートセンター川崎プロジェクトには、このコンセプトは一歩具体的に進めてデザインに加えてみた。
・ 決して高邁な思想があるわけではなく老人と言って悲しんでいる思考経路を、単に、何とか変えてみようとして思考挑戦をしただけなのかもしれないが。
・ 草枕に「智に働けば角が立ち、情に掉させば流される。理屈を通せば窮屈だ。とかくこの世は住みにくい!」とある。私にとっては何故かこの言葉の力は大きく。どうにもならない程の諦観を持っている。形にすると四角である。四角は漢字では“くにがまえ”である。国なる文字の玉の代わりに人が入れば囚になる。
・ そこで提案である。パスカルの原理を発見したパスカル先生は科学者であると同時に哲学者でもあり神学者でもあった。パスカル先生は言った。「人の目が水平についているから人と人のことを比較する。もし縦についていたら神と人間の関係についてもっと真剣に考えていたいだろうと?」理屈であるが恐ろしくもあり不思議な説得力もある。
・ ただ、パスカル先生からヒントを頂くこととする。四角を回転させ少々圧縮を加えると菱形になる。四角はスクエアー。菱形はダイヤモンド!同じ形が見方で変わってしまうのである。ダイヤモンドはこの世では価値がある。四角が原石であるとすれば菱形は玉石である。国は決して囚人からなってはいない。国民は玉なのである。宝である。
・ 四角形の中に入りつつある老人がダイヤモンドに輝けば、「老人から豊人へ!」また一歩昇華することになる。
・ 四角四面に造りたくなる造形を菱形にしてちりばめてみたらとても楽しい空間が出来るのではないか?勝手に思い込み作り込んでしまった空間が楽しい空間であってほしい。
・ 何よりも入居する人と介護する人がともに楽しめる空間がいい。時にファニーでずっこける様な笑いを発信するデザインでもいいではないか?部屋の大きさだけではない。窮屈にしないためでもある。
・ 竣工式に臨んで以上の様な私の挨拶がいつになく流暢であり時に取扱説明の様になってしまっていたから一人可笑しい。

* デザインモチーフを“ダイヤモンド:菱形”にする!
・ 地域交流スペースに採用されたダイヤモンド型掲示板!
・ 同バーカウンターの天井にはダイヤモンド型建築化照明が設置されている。
・ 地域交流スペースの北側開口部上部には菜の花?チューリップの花?が咲いている。ダイヤモンドの下草たちは音符になって配置されている。
・ ダイヤモンド音符を口ずさむと「ミミファソソファミレ ドドレミミーレレ」ベートーベンの第九の歓喜の歌である。
・ 各室の名表札もダイヤモンド!
・ 2F階段室の手摺はダイヤモンド合唱団。口からこぼれる声は宝の言葉!
・ 通路には共有納戸がとられている。その上に付けられた建築化照明もダイヤモンド。
・ 遊びに来てください!その他にも多くのダイヤモンドがちりばめられていますから探しだしてください!お待ちしております!

・* この施設の用途を概説させて頂けば二つの名称を持っている。一つは「サポートセンター川崎 (1F)」であり、もう一つは「ユニバーサルハイツ川崎(個室2F:共同玄関1F)」である。
・ そして最初のサポートセンター川崎は3つの複合施設からなっている。
① 特養老施設15床分:この部屋は当初は現在こぶし園様に入所されている方が現在の施設がある深沢から移動される事になっている。よって開所当初は満床である。その後、空き部屋が出たら地域の方々が優先に入居可能であると言う。特養の入居者の待ち人は日本中で数珠つなぎであるから建設中の注目度も大変大きかったと聞いた。
② 小規模多機能施設:25人登録して一日15名の通い介護を受けることが出来るサービス。
③ 地域交流スペースは地域の人が自由に使えるスペースである。キッズ アルコーブスペースでは子供たちの恰好の集まり場である。
・ 「ユニバーサルハイツ川崎」は簡単に言いうとアパート(共同住宅)である。利用できる方は要介護高齢者・虚弱高齢者である。
・ 部屋数は10室あり、希望者には食事も提供されることになっている。* 見学会は4月21日(土)22日(日)に行われる予定である。(町内会を通じて回覧も回る予定。)
・4月22日(日)午後3時から一時間ほどで、こぶし園園長である小山剛先生から介護についてご講演いただく予定である。(当社の39回ライブトークフォーラム)
  一生懸命にコンセプトを伝える吾輩!    組み合わせで楽しいバリエーションを作る!
  


アクセス外部から見るダイヤモンドモチーフ!

 
只今変身中(K画伯の力が入る)

菱形:ダイヤモンドのモチーフデザイン 司会の天井はダイヤモンドライティング     掲示板もダイヤモンド型


壁面にはダイヤモンドレリーフ:音符は喜びの詩
ミミファソソファミレ ドドレミミーレレ!


お出迎えの合唱団「おはよう!」


実は”吾輩たちはは階段手すりである!


2階廊下のダイヤモンド建築化照明


私たち一人一人に名前を付けてください。