高田清太郎ブログ

トラウマになった昭和36年の第二室戸台風はその年の第18号台風!



エッセイ

今年2つ目の日本本土上陸台風は第17号台風であった。

* 台風17号が接近中!
気圧は920hp:最大瞬間風速60mで発生した台風:大型である。
第二室戸台風(その年の第18号)に遭遇した私の脳裏にはその時の風景がそのまんまインプリントされてしまっている。所謂トラウマである。
昭和36年:私が小学校6年生の時である。
昭和36年9月14日頃は、台風は九州方面に向かうと予想されたが、9月15日には奄美大島を通過、四国から本州に達する事が確実となった。伊勢湾台風級の超大型台風の襲来として国内では厳戒態勢に入り、大阪管区気象台・大阪府・大阪市などでは防災対策を整え、NHK大阪テレビなどの報道機関も連携して警戒を呼びかけた。死者194名、負傷者4972人を出したと聞いた。
9月16日(土曜日)、台風は加速しながら北東に進み、9時過ぎ室戸岬西方に上陸。上陸時の中心気圧925 hPa(これは現在でも日本上陸台風の中で最大リコードを持っている)、室戸岬測候所での気圧や風の観測値は記録的な数字であった。その後もあまり衰えずに、さらに加速しながら13時過ぎに兵庫県尼崎市と西宮市の間に再上陸。その後、台風の勢力があまり衰えないまま日本海に抜けたため、新潟県下では大きな風害が起きた。すなわち、酒田市では最大風速37.7 m/s を観測するなど極めて強い風が吹き、住宅の全半壊等の被害が多かった。
日本海沿岸を北北東進して北海道のすぐ西を通過したが、その際は時速93キロメートルの高速であった。9月18日にオホーツク海で熱帯低気圧化、ベーリング海北方に進んだ。(ウィキペディアより)そして今年の台風17号は9月の末日である。嫌な予感である。

気象庁発表台風概況
台風17号
2012年9月30日15時30分発表 強い台風第17号は、30日14時には潮岬の南南西約60kmにあって、北東へ毎時45kmで進んでいます。中心気圧は950hPa、中心付近の最大風速は40m/sです。この台風は、1日3時には福島県に達し、1日12時には釧路市の東約210kmに達するでしょう。その後、温帯低気圧に変わり、2日9時には千島の東に達する見込みです。台風周辺地域および進路にあたる地域は暴風や大雨に、台風の進路にあたる海域は大しけに厳重な警戒が必要です。次回の台風情報は、30日16時30分の予定です。

* 建築には様々な使命がある。中でも最も大きな使命は様々な自然災害から人々の生命を守るべきものとしてつくりあげられなければならない。
その一つが台風から身を守るべき使命を与えられている。
風速40m/sは時速に換算すれば144km/hである。現在でも最大は60mと言うから時速換算で216km/hである。
まさに新幹線の屋根の上に乗った人である。振り落とされないために何をするだろうか?まずそんな危険なところに乗らないことだ。台風で言えば風の当たる外に出ないことである。
大木は倒れ、屋根が剥されることもある。
台風の進路は特に気になる。
台風が東側を通過するか?西側を通過するかで風の強さが全然違う。
台風は北半球においては時計と反対周りに吹き込むから台風の東側(右側)は押し出す風と重なって強風になる。しかし、反対に台風の西側は巻き込む風は押し出す風と相殺するからそれほど大きくならない。(南半球ではその反対になるが)
以上から必然的に新潟県は佐渡沖コースを通過する台風の風が強いことになる。
だから、通過するところは東側・日本列島の尾根より東にとおってもらいたいのである。そうすると申し訳ないが東京が強風に見舞われることになる。昨年の上陸台風と同じである。
まるで、川が氾濫する時に川の右岸と左岸のどちらの土手が切れるかで被害は天地の差となる。だから不謹慎ではあるが両岸の住民は反対側が切れることを心の中で密かに期待すると言うのである。これは実際に被害にあった人々の声であった。
まるで台風もそうだ。自分の住んでいる東側を通過してほしいのである。

* 建築中の建物は台風が来ても大丈夫の様に確りと養生する。養生は足場に張られたネットを外したり、間に合えば足場自体を外したりすることが行われる。
工場には資材が沢山おかれているから、それらの資材が飛散しない様に確りと固定されなければならない。
丁度、9月は季節的には春に引き続き上棟が混み合う季節である。必ず来るとは限らない対策に時間がとられるのはとてもストレスになる。だから天気予報とにらめっこが始まる。そしてぎりぎりの線まで待つ。
台風の進路を見ながら台風養生をしなければならない。今回も進路予想からは中々外れない。結果的に工場のスタッフは日曜日の午前中出勤が自主的に行われ資材固定に掛かった。
そして、一言。「これで台風が来ても大丈夫!」とは言わない。その代わりに「ここまで養生すれば台風も来ないだろう!」という。
何となれば、養生をしても直撃を受けることはそうそうあることではない。養生仕事も大変なエネルギーがかかる。だから、来なければ無駄な仕事だと言えばマイナス思考になる。そこで、養生すれば来なくなるからとプラス思考に転換するのである。
いずれにせよ、台風が来た時には何もできない。そして台風通過後の被害結果が来る前養生を採点し検証することになる。

* 9月30日(日)17:00に書いている時の台風速度はスピードが90kmと速くなったと聞く。
東山方面を見ると雲の流れが速くなってきた。窓からは時折台風接近の前兆の突風が部屋に流れ込んでくる。
新潟県は月をまたいで10月1日3時に最接近予想。明日の朝には東北に抜けている。そして北海道に再上陸・そして温帯低気圧になると予想されている。
台風もハリケーンもサイクロンも段々大型化していると言う。気象の変化が織りなすエネルギーの発散である。

* それにしても農家の稲刈りはほぼ終了した。
折角育った稲が台風で倒されると稲刈りは大変厄介になる。又味も落ちると聞く。
刈り入れられた稲の品評は104%の豊作だという。良かったよかった。

TVでリンゴの取り込みが終わってないとニュースに流れていた。何とか無事に台風が通り過ぎてくれることを祈念するものである。