高田清太郎ブログ

第42回ライブトークフォーラム開催 あしたも桜色! 介護は楽しく、生きがいでした。



イベント

すまいは巣舞
巣は形・舞は想い
想いを形に
巣舞るフォー・ユー
高田建築事務所山上洋子著「あしたも桜色!」
母親を自宅で介護してきた著者がつづる16年間の心の記録
アルツハイマーの母と紡いだ日々!

*    山上洋子さんがお母さんを介護された苦闘(生きがい)の16年間の体験を新潟日報事業社から上梓された。タイトルは「あしたも桜色」(私のブログ:20130910参照)

第42回ライブトークフォーラム
いつ:2013年11月2日(土)14時開演~16時
どこで:長岡ルーテルキリスト教会(ゆきんこペンギン)
タイトル:「あしたも桜色」~介護は楽しく生きがいでした~
<出版記念対談>
山上洋子さん((株)ホーミング 代表取締役)
高田清太郎((株)高田建築事務所 代表取締役)

<対談内容>
*    山上さんのご紹介
*    高田より来会御礼と近況報告(医療・福祉・介護関係の建築の経歴ご紹介)
・    天気:景気・オリンピック2020:消費増税で掛込み:
・    弊社3年後40周年を迎える:1976年~2016年で40周年!タカモク67周年!
・    私ごと:孫が4人になりました。女子2名・男子2名:かわいい:賑わい!
・    そのほか会社の今の活動アットランダムにご紹介!
・    第二回のKIDS回がコンクール実施:517作品が寄せられた(20130817:アオーレ長岡にて表彰式:+近藤麻智子さんによる絵本読み聞かせ!大好評)
・    第8回地域住宅計画賞 作品部門で奨励賞を頂く:「リプチの森の間知づくり」励みになった報告!
・    サポートセンター摂田屋:新潟日報に取り上げられる。+:::NHKニュースでも二度放映
・    そのほか:福祉施設多数:サポ美沢・川崎・摂田屋・見附福祉会ケアガーデン新幸(最新竣工)
・    サポートセンター喜多町が工事中:201403に竣工
*    現在の日本における福祉介護環境:少子高齢化!が及ぼす影響!
・    2013年65歳以上の人口が25%を超えた。2030年には30%を超えると言う。
・    介護が必要!特養老・老健施設の不足:施設的にも介護費的にも限度になってきている。
・    人口推移:生産年齢人口推移:労働力人口推移
・    1950年=ピラミッド型:1980年=中太型:2000年=寸胴型:2025年=逆ピラミッド型:そして2050年j:75歳がピーク
・    医療福祉関係費の増大が大変問題になっている。
・    介護=快護=快語
・    施設快護 VS 自宅快護
・    施設不足が本来の自宅介護を推進している。でも自宅介護は大変な覚悟が必要
・    今回の開催の意義:介護のあり方・国の支え方も紆余曲折してさまよっている?地域密着型がいいのであるが都心部では地価が高く、それが許されない。普段の地域密着から遠くの地に送られるとそれだけで記憶が飛んでしまう?
・    自宅介護の住環境についても言える事であるがいざリフォームを考えていても、その時期が大切だ。発症してからリフォームしたりすると以前使い慣れたものとのギャップが大きくなり却ってまずいことになることもある。(etc:火が危ないからと.ガスコンロから電磁コンロに変更しても使いこなせない。etc:いつも置いてあるたんすを移動して動線を確保しただけでも、今までの空間感が変わって認識されることさえあると言う)
・    施設介護も大きな施設から地域密着型のサポートセンター・小規模多機能型へと移行されている。
・    「巣舞=巣+舞」   「間知=間+知」   「快護=快+護」
・    前置きが長くなってしまった。ご寛容のほどを!

*    対談:
Q:ご著書「あしたも桜色」を書きたいと思われた動機をお聞かせください
・    一般的に介護は辛いものと言う風潮一辺倒であるが、決してそうばかりではない。
・    難病のアルツハイマーを発症すると介護は大変になる。確かに辛い部分もあるが
・    考え(方)を変えるだけで楽しい: 「介護はつらいもの VS 快護は楽しいもの」
・    (確かに介護問題は日本国家にとっても重大事項であることに変わりはないが、)メディアでは介護の辛さだけが報道されている。物事には一方もあれば反対のこともあることを忘れないように!と山上さんから何度か重ねて忠告された。
・    ご著書でもそれなりの辛さやそれに対する気持ちの中に葛藤はあったが考え方を変えるだけで乗り切ってきたような気がする。
・    そのことをお伝えしたくて上梓した。
・    ・・・そして上梓する直接の原動力は“もしかしたら私の介護体験は、いま介護に直面している人や将来介護をするかもしれない人たちへの励ましや参考になるかもしれないと思うようになりました”また、“母と紡いだ日々を思い出として残したかったからです。そして介護が楽しかったことを多くの人に伝えたいと思ったのです。苦しかったこと、楽しかったこと、学んだことなど、私の介護体験が介護に直面している方々へ少しでも役立てばと本書をしたためました”
・    ・・・(T)お母さんへのこぼれんばかりの愛が沢山ちりばめられております。のみならず、介護経験をする人、している人への応援歌としての愛情も沢山盛り込められています。是非とも皆様に一読をお勧めしたい書籍である。

Q:介護は楽しいと言えば言うほど、無理していませんか?
・    そのように質問されることが多いのですが、私の場合はぜんぜん無理していませんでした!
・    介護=辛いものと1人歩きしすぎているようであるが決してそうばかりではない。
・    ひとつでもいいから楽しい部分があることを探していくことがとても大切だとおもいます。
・    また、自分ひとりで何でもかんでもやると考えるとそれはつらいです。しかし、
・    “今思うに、私が自宅での介護を乗り切ることが出来たポイントは五点あったと思います”
①    公的介護サービスをフルに利用出来たこと。
②    信頼できる医師や看護師、ヘルパーさんに支えられたこと。
③    父や妹たち、親戚に温かく見守ってもらったこと。
④    色々な人が出入りするオープンな家にしたこと。
⑤    私がくよくよせずに、介護そのものを楽しむことが出来たこと。
・    特に①のサービスの中でも障害者1級になると月410時間の無料サービスを受けられる。多くの方はその辺を知らないようである。

Q:介護を乗り切るためのポイント④に「オープンな家にすること!」とあった。
・    ・・・(T)住宅のことですからここでPRタイムを頂く!
・    弊社が山上さんから依頼された巣舞づくりは、まさに介護住宅であった。そして結果は正に快護住宅と!
・    巣舞づくりは一般的には普通の巣舞づくりをしておいて将来に必要とされる介護対応を可能にしておくつくりをすることが多い。言ってみればバリアフリー感覚を取り入れておくケースが多いのである。
・    山上さんの場合には介護の真只中!建て替えながらの介護は不可能であった。新しい土地を準備してのゼロからの介護住宅の建築であった。
・    介護のし易さ、し憎さが如何に巣舞づくりによって影響されているかを正に目の当たりにされたのである。
・    本の中にも書かれていたが弊社に建築を依頼された時の要望は五点であった。
①    お母さんの部屋と自分の部屋、キッチン、リビングダイニングのどの部屋にいても、お母さんの様子が見えるような部屋の配置にしてほしい!
②    外から容易に車椅子が出入りできるように、玄関アプローチのスロープを長めに!
③    バリアフリー、戸は全て引き戸にして下さい!
④    車椅子がぶつからない様に、家具を置かずに収納棚を作りつけにして下さい。
⑤    介護がしやすいように、一つ一つの部屋のサイズを大きくして下さい。
・    以上の様に問題解決に対していつもぶれない明晰さは巣舞づくりでも発揮されたのであった。

Q:一般的には介護は仕事との両立が大変だったと思いますが?世の中的には仕事を辞して介護に専念しなければならないケースもままありますが?社長業もこなされていての介護生活でしたがその辺の心境を?
・    結論からいえば、私の場合はむしろ仕事がなければできなかったかも知れません。仕事をしていたからこそ出来たのではないかと思います!終日、介護だけだったらとても辛かったかも知れません。仕事とのメリハリがついた。社長業との時間をしっかりとけじめつけたことがよかったと思っています。
・    これも考え方ひとつですね。
・    繰り返しになりますが“仕事があるから在宅介護は無理、と考えている人が多いと聞いていますが、私はむしろ仕事を持っていたからこそ、介護だけに専念する人よりも、気持ちに余裕を持って介護できたのではないかと思っている。介護モードと仕事モードを上手く切り替えることでどちらもがんばれたような気がする”!
正に、快護モードである!

Q:アルツハイマーという病気のこと!(大変な病気である認識と介護の覚悟?)
・    最初はなかなか病名がわからなかった。しかし、ようやくわかるようになってからは覚悟を決めた。
・    あるときに母が30万円なくなったと言う妄想に取り付かれた。同じ病人をお持ちの方から自分のところも30万円がなくなったと言うのである。アルツハイマー患者は30万円がキーワードですかね(笑)きっと10万では少なすぎるし50万円だと多すぎる?
・    又、私たちには見えないものが見える。たとえばある日母がカラスがたくさん屋根の上で騒いでいる!怖がりながら私に訴えるのである。見えない私はそんなのいないよ!一蹴する。すると凄く怒り出す。そうか・私には見えなくても母には見えるのだ!それからは考え直し「私がカラスを追い払ってやるよ!」と言って追い払うしぐさをすると、いなくなった(見えなくなった)といい安心しているのですから不思議です。
・    アルツハイマー患者の場合には反対意見を言うのではなく、まずはじめに相手の言うことを受け入れていくことが大切だと悟った出来事でもありました。(これはどんな場合にも言えることのような気がする)まず受け入れる姿勢が大切です。
・    ・・・・(T)私も先だって、死に向かう人の話を聞いた。普段、私たちの周りには沢山の出来事があり、あまりにも多情報で大切な部分が見えなくなっていることがある。ちょうど周りが明るいと蝋燭の火など見えないのと同じと言うのである。しかし、周りが暗くなってくると蝋燭の火がしっかりと輝き普段見えなかったものが見えてくると言うのである。

Q:上梓されて、その後の反響は?
・    大変多くの方からお手紙やお電話を頂いた。
・    アルツハイマー患者さんをお持ちの方からは30万円をなくした話に共感しておられました。

Qそのほかにも沢山質問したいことが有りました。
・    本のタイトルについて「あしたも桜色」とても素敵な装画です
・    病院・施設の行ったりきたりでご苦労された・その辺のことを

*    参加者は80名ほどになった。・・・・1時間半があっという間に過ぎてしまった。
・    司会して参加者の興味・関心の話題であることを実感した。質問も出て最後まで介護問題は他人事ではない。自分ごと・我が家ごとであることを皆がしっかりと確認したのである。
・    山上洋子様ありがとうございました。来会者の皆様ありがとうございました。感謝
 会場のゆきん子ペンギン教会 司会のご挨拶から始まる

 対談は聖壇の前であり少々緊張気味である!

 スライドを使っての対談である。

 聴衆は熱心に聞き入ってくださった。

 販売されたご本「あしたも桜色」