高田清太郎ブログ

「舞妓はレディ」を鑑賞して!



エッセイ

すまいは巣舞
巣は形・舞は想い
想いを形に
巣舞るフォー・ユー
高田建築事務所

翌日には金沢を日帰り!
6+6=12時間の旅

先日久しぶりにシネマ:Tジョイ長岡に行って映画を観てきた。

・    何を見ようか?事前準備は何もせずに日曜日の午後フラ~と出掛けた。この日は三連休の中日、時間の拘束が無いから自由なものである。自然の流れで到着したときに上映されている中から選べばいいと決め込み、ともかく気楽な気持ちで出掛けた。夕方には予定が入っているので選んでいる時間は無かったと言った方が良いかもしれないが?
・    14:10過ぎに到着、一番近い作品を観ようと決めていたので14:20から始まる「舞妓はレディ」を迷うことなく観ることにした。
・    前もって事前準備していたら、決して見たいと想うタイトルではなくパスした作品だったような気がする。タレント音痴の私だから当然と言えば当然であるが主人公の名前は聞いたことが無い。(後ほど分かったことであるが上白石萌音さんの新人デビュー作品であった)
・    しかし脇役はそれなりの役者揃いであった。
・    どんな映画をみようか?迷ったら一流どころの役者さんが出ているのを見たらほぼ間違いないということを聞いたことがある。なるほどと思う選択肢でもある。
・    “舞妓はんになる人がいらはらへん!どっせ”ストーリーは茶屋街が衰退するのではと言う時代が背景にある。
・    なぜか幕開けのこの部分には強烈に共振したのである。わが建築業界も職人になる人が年々少なくなり衰退するのではと危惧する1人であるからだ。(様々な報道でも絶滅危惧種なる言葉が飛び交う時代である)
・    東日本大震災から2020東京オリンピックに押されて建設工事はそれなりに出てきているのに(都心部では特にこの傾向が強烈)職人不足が慢性化している。
・    型枠大工さんを束ねる関西の女性棟梁が環境研究勉強会の席で真顔で言っていたことを思い出す。「自分の親父さんの時代と比較して型枠職人が1/10になった」と。
・    であれば、ちょっと景気が上向けば人手不足である。ここに来て,当然と言えば当然の話である。
・    国民を災害から守るためにも治山治水はとても重要なテーマである。そのためにも山の手入れは欠かせない。林業を活性化して防災に役立てることは地産地消を推進することで対応することが迫られている。
・    CO2の排出で地球温暖化はどんどん進んでいるという。CO2を吸収してくれる植林はとても大切なことである。それらの木々も古木・老木になると今度はCO2を排出すると言うから若木に植え替えなければならない。
・    地産地消は元々運送時に排出されるCO2削減にも貢献する。
・    そういいながらも大工さんになり手はどんどん減っているのである。1980年には90万人いた大工職人が2010年には半分(45万人)になったと聞いた。そして2020年には1/3の30万人になると予想されている。高齢化の波がここでも止まらない。
・    大型建築も法整備をして木造化を勧める国の政策と大工職人の推移の観点から見た点だけでも完全にミスマッチしているのである。

*    話を戻そう!
・    今日は映画の話だ。
・    タイトル:“舞妓はレディ”は“マイフェアレディ”になぞらえたパロディーだと思っていただけに、突然、舞妓はん志望の主人公(上白石萌音)が歌いだす。
・    ミュージカル?違う?それから場面が続くにつれてミュージカル?前情報がないだけにくすぶり始めた違和感が自分にとっては新鮮であった(?)から不思議。
・    オードリヘップバーンのファンの私にとっては主人公の舞妓:春子役の上白石萌音に最初は戸惑ったが、ストーリーが進むにつれてとても感動してしまった。
・    そして、終演の時には全くはまってしまった。心に温もりを覚えた作品であった。
・    偶然見た映画を私から是非多くの人から見てほしい映画にしてしまった監督:周防正行氏には脱帽である。
・    出演者の演技が又良い。
・    ストーリーは是非とも映画館で!あまり前情報がないほうがいいかも!

*    人材不足:ある意味で時代の移行期を象徴している映画である。
・    舞妓さんから芸妓さんになりたいが後に続く舞妓さん志望者がいない!
・    鑑賞された方で自分の業界のことのように観られた方はとても多かったのでは?

*    翌日は敬老の日であった。
・    映画館から出たら直ぐに京都に行きたくなってみた。
・    当然時間はない。しかし、小京都の金沢なら行って来れる。休み明けは朝礼だ。遅れることは出来ない。
・    建築学会の仕事で金沢はもう何年も日帰りコースでなれている。しかし、観光する時間はなかった。
・    目標は大樋美術館だ。一度は行って見たいと思いながら足を向けることがなかった。
・    増築部分は隈研吾氏のデザインであるからこちらも楽しみの一つにしていた。
・    大樋焼きは現在は十代目の大樋長左衛門さんが活躍されている。
・    初代長左衛門は加賀藩主五代前田綱紀候の招聘で京都から金沢へ招かれた。
・    その時の茶人は四世仙叟宗室であり陶工が長左衛門であったという歴史がある。
・    金沢は連休最終日と言いながらも人々で賑わっていた。対比するかのように大樋美術館はとても静寂を保っていた。とても恵まれた空間であった。
・    一服のお茶が心和ませてくれた。

*    その後、十年ほど前に周ったひがし茶屋街を再度覗くことにした。
・    言ってみれば定点観測である。10年の年月はどのくらい街を変えたかである。
・    ともかく面的にも広がりを見せて新しく加わったお店やさんが多くなっていた。
・    と言うよりも、前日見た舞妓さんの世界を覗いてみたいからであった。
・    しかし、金沢には舞妓さんはいないと言う。いるのは芸妓さんだという。ひがし茶屋街で15名、三つの茶屋街全部で50名と聞いた。年々少なくなっているのか?

*    国指定重要文化財「志摩」は典型的なお茶屋の造りをそのまま残している。(案内書から)
・    お茶屋は二階が客間である。町屋とは異なり押入れや間仕切壁などはなく、開放的であくまでも遊芸を主体とした優美で繊細な、粋なしつらいになっている。
・    お客が床の間を背にして座ると、その正面の控えの間が演舞の場になり、あでやかな舞や三弦などの遊芸が披露されるのである。
・    封建制度の下、町方にわずかに許された娯楽と社交の場として、お茶屋には主に上流町人や文人たちが集い、遊びと言っても琴、三弦、笛に舞、謡曲、茶の湯から俳諧など多彩で客、芸妓共に幅広く高い教養と技能が要求された。
・    季節のうつろいに応じ、もてなしはお茶屋の建物と磨き上げられた芸事はもとより、衣装や髪飾り、宴を彩る優美な道具なども一体となってつくりあげられる。
・    この様なお茶屋の文化は後の演劇や音楽、美術工芸はもとより一般生活や風俗にまで影響をおよぼした。

*    舞妓さんも芸妓さんもおられなかったがそのステージに舞妓はレディの舞台を重ねている自分はとても満足度100点であった。
・    急行北越で長岡~金沢間は往復6時間である。金沢滞在が6時間と短かったが行きの期待と帰りの余韻で旅はますます豊かになった。
・    何気なく見に行った映画が導いてくれた6+6=12の秋の旅路であった。