巣舞蔵 (すまぐら)
社長ブログ
7月も中旬にさしかかり、早いもので一年の折り返しを過ぎました。7月前半から真夏日を観測した地域が続出し、今年も暑い夏になりそうです。
私は普段水分をあまりとらないのですが、この時期は意識的に採るようにしています。600mlの水筒を二回分飲み切るたびに、夏を感じています。
さて先日、当社のプレカット工場(構造材をあらかじめ切断・加工する工場)の外壁に「巣舞蔵(すまぐら)」のサインが付きました。
巣舞(すまい)という言葉は、古くから当社にあるDNAともいえる建築への姿勢です。
「巣はカタチ、舞(まい)は想い、カタチの前に想いがある。想いをカタチに」をコンセプトに住まいづくりを続けてきました。
この言葉は進化し、高田建築事務所のスローガン「千人鮮色(せんにんせんしょく)」にもつながっています。
もともと会社の位置する摂田屋は醸造の町として栄えてきました。
今も趣を持った酒造、味噌、醤油など、醸造を業とする企業が点在し、すべて「食」という共通点があります。
当社は「住」をテーマとする会社ではありますが、お客様の想いが発酵し、建築というカタチになっていくプロセスは、醸造と似ている部分があるなと思います。
同じ醸造の町摂田屋にあること、そしてこの町らしさとは?と考え、
想いを発酵する蔵(工場)、『巣舞蔵』とネーミングしました。
建物内では木造建築の骨組みである柱、梁の加工をしています。
隣の建物では造作材などの木材加工の他に、コンピューター制御で切断することができるCNCルーターを使って、複雑な加工も可能です。
社内ではCNCルーターを活用した雑貨、家具のアイディアコンペの開催、家具以上建築未満のスケールを持った「アーキファニチャー」のプロジェクトも進行中。
※アーキファニチャーとは、アーキテクチャー(建築)とファニチャー(家具)を組み合わせた造語。
ここ摂田屋は、近年観光客の姿をよく見るようになりました。特に旧機那サフラン酒製造本舗には貴重な鏝絵があります。その駐車場からもよく見える位置に巣舞蔵のサインを飾ろう!という広告的な意図が当初はありました。
しかし実際にサインが掲げられると、スタッフからも好感触なコメントを多くもらったのには驚きました。私たちが日々携わっていることが、スタッフ自身の誇りへと発酵していければいいなとも思っています。
お客様の想いを醸し、カタチへと発酵する。
そんな役割を担う場所、それが私たちの「巣舞蔵」です。