お知らせ

女池ボンエルフ住宅祭出展物件 「アミノみるく誕生物語」

お知らせ 2010.05.4

「Birth story」

新俣との電話が終わった。
外構に関する提案とお願いだったと思う。「だった」のではなく、「思う」の感じで電話が終わった
のである。
「緑が5倍になる」と言う、超魔術のような不思議な電話だった。
新俣との会話の場合、主語と述語がはっきりせず、何を言いたかったのかわからない場合が
多い。逆に一哲ははっきりしすぎている為、その目的だけが印象に残り、そこに至るまでのプ
ロセスが打ち消されてしまう。
したがって、二人をたして2で割ると、私たちにとって丁度良い聞きごこちとなる。
よって、この二人がコンビを組んでいる理由がわかる。
明日、設計の堀生と井浦から説明があると言うが、信頼しているスタッフ達の提案である。
予算に納まるのであれば特に問題はないので、何を言いたかったかわからない新俣の「超
魔術」の時点でOKを出した。

アイスコーヒーが入ったグラスが五つ、テーブルの上に置かれている。
置かれたばかりのグラスは、既に結露で水滴が付き、居酒屋の生ビールのジョッキ状態に
なっている。
誰かが飲むたびに、テーブルに小さな水溜りが出来てゆく。
「コースターくらい持ってくればいいのに」と心の中で呟きながら、七幡はティシュペーパーで
小さな水溜りを拭き、今回の物件のコンセプトを担当スタッフに確認していた。
一哲・新俣・堀生・井浦と七幡の五人のミーティングである。
村島は、時間になっても現場から戻ってこないので、この五人でミーティングは始まっていた。
各自、思い思いのコンセプトを持ってこのミーティングに出ている。
チーム内でズレがあるようならこの場で修正しなくてはいけない。
一哲からのコンセプトは、いくら・牡蠣・みるく・ウニ・砂糖・甲羅・亀・アミノ酸・海・スポーツ

ドリンク・たまご・エコ・アミノサプリ・栄養たっぷり等々。
「この人は、真剣なのかふざけているのか判らない?」で、他の4人の心の中は一致した。
五人のコンセプトをまとめてゆくと、だいたい以下のようなまとめとなった。
たまごの中で暮らしているような、ホワッとした白い光の空間。
お母さんのお腹の中で暮らしているような、安心感と栄養たっぷりな空間。
栄養たっぷりな身を硬い貝殻でガードした、海のミルク牡蠣のような外観。
ほおばると口いっぱいに広がる安心感と奥深さ。
私達の体の一部のような生活感。
数日後、こんなコンセプトが生まれた。

私達の体の一部はアミノ酸でできている。
アミノ酸は私達の生命の源であり、豊富な栄養素を含んでいる。
そして、お母さんの母乳にはアミノ酸が豊富に含まれており、
生まれたばかりの赤ちゃんは、母乳だけで十分に成長してゆく。
もし、私達が栄養たっぷりな空間に暮らしたいとしたら、こんな空間を想像したのかもしれない。

アミノみるくのような空間を………..。

  
        END
                                           vok.7 2010.9.17

 

 

「大工完了と不安」

すっきりとしたラインが青空に映えている。様々な色の切りかえしや凸凹を付けるのではなく、
カラーは一色。ラインも縦と横の2方向のラインでまとめられている。窓のラインも外壁のライン
と同じように、無駄なごまかしをすることなく、必要なラインだけが採用されているように感じる。
カラーレベルは一番濃いエリアに属するレベル5の中から選ばれた。
デラクリート(コンクリート板)にジョリパット(塗装)で仕上られた外部は、まるでモルタル仕上げ
のようなどっしりとスッキリとした感じ。それでいて何となくフワフワしているけど凛とした可愛ら
しさも感じる。基本的に「かっこいい~」。
自己満足といわれてもしかたないほど、私と妻は道路から見る我が家を心の中で褒め称えな
がら眺めていた。頭から、クビから、顔から、汗が流れ落ちる。体は既にベタベタな状態だ。

 今日も気温は35℃前後を推移している。
現場で待っていた現場監督の村島と「あついですねぇ~」の日常の挨拶をし、現場の中へと
入った。
時間は1時間半~2時間ほどかかると聞いていたので、子供達は妻の実家においてきた。
現場に入った瞬間、まさに正解だったとホット胸を撫で下ろした。時間よりも、この現場の
暑さに子供たちは、3分はもたないだろうと思われた。その子供達の相手をするだけで、
打ち合わせにならないハズである。
床には厚めのダンボールのような養生がされている。この下に14㎜のパインの床材が眠って
いるハズ。
天井と壁には整然と石膏ボードが貼られている。窓からはホワッとした光が入り込んでくる。
外で感じる照り刺すような陽射しとは大違いである。製本を広げた村島と内部の要所を確認
して行く。
コンセントやスイッチの位置。収納関係の詳細。各部の高さや長さ。
これから仕上げに入って行くので、その前に気なる部分の修正をしておきたいとの事で、現場
でお互いの意思疎通のレベルを確認する為の打合せである。
正直なところ、仕上げ前の段階では倉庫の中にいるようなもので、ピンとこないのが本音である。
ピンときていない頭の中で、仕上の確認もされた。
天井と壁はEP(塗装)仕上げ、建具はホワイトアッシュ柾目。玄関の土間はモルタル金鏝仕上
げ等々。
ちなみに、キッチンはクレアーレにお願いした。雑誌で見て、燕の工房に見に行った時に一目
惚れしてしまった。
この窓枠もない、巾木もない、何もない倉庫のような表情をした空間で本当に大丈夫なのだろ
うか?素人であり、今まで経験のない私達には不安が過ぎる。しかし、堂々と丁寧に説明をす
る村島の態度に打ち合わせの終わりには、その不安は打ち消されていた。

    
汗はダラダラ状態であるが不安を打ち消された私達は、エアコンの効いた車に乗り子供達を
拾い、自宅へと向かった。エアコンがどちらかと言えば嫌いな私達であるが、この夏は、好き
嫌いのレベルではない。アパートに着くと真っ先にエアコンのリモコンをONにした。
夕飯を終え、子供たちとのお風呂の格闘も終えた頃、携帯に新俣(一哲とコンビを組んでいる
営業マン)から連絡が入った。「実は、提案とお願いがありまして~」そんな前置きから新俣の
話しは始まった。
完成まであと1ヵ月の中で、思いも想像も考えもつかなかった提案の電話であった……。

 

お楽しみに……。
つづく
Vol.6 2010.9.10
  

 

 

「現場とコンセプト」

2010年8月6日 金曜日 気温34.6℃ 異常なくらい快晴

連日30℃を越える猛暑が続いている。セミの鳴き声も聞こえない。蚊もバテテいるのか、
虫刺さされが少ない夏のような気さえする。
一哲と七幡は現場に来ていた。立っているだけで、汗が噴出してくる。
現場には現場監督の村島が設備業者・電気業者と打合せをしていた。
何時誰が熱中症になって倒れてもおかしくない気温のなか、大工工事が急ピッチで進んで
いる。
不思議な事に、現場で働く職人さん達は、我々と違い汗の量が少ない?既に乾ききって
しまったのか?それとも、この気候にもう順応しているのか?そんな事を考えながら二人は
現場の中に入った。
棟梁は休日返上、お盆も休まず現場に入ると言っている。
通常の工事の場合、近隣に配慮して日曜祝日、お盆やゴールデンウィーク等の連休の場合、
基本的には現場を休みにする。今回の現場のような比較的規模が大きい造成地の場合は、
近隣に迷惑がかからないレベルで工事を進めることが出来る。コンパクトな建物の場合、職
人を多く入れても動きが取れなくなるだけなので、少人数でこつこつと時間と日数を稼ぐのが
一番妥当な進め方となる。
この大工工事が完了すると、クライアントとの最終打合せが現場で行われる。仕上前に、
空間の確認等最終段階のチェックをクライアント側と設計施工側で一緒に行うのである。

 
七幡はしきりに1階の天井の高さを気にして現場を眺めている。図面には天井高さH2200と
記されている。「この空間だとH2200では、圧迫感があるので天井の高さを上げたい」と
言っている。
H2200の空間が大好きな一哲は、その場で七幡を説得しようと様々な角度で力説するが、
納得しない。
汗だくになりながら口論してもエネルギーを消費するだけなので、事務所に持ち帰る事に
なった。現場監督の村島が聞いていないふりをしながら、耳をダンボにして聞いていた。

口論中の二人は、仲良く車に乗りビックスワンへと向かった。
そこで「ボンエルフ住宅祭」の説明会が14:00から行われる。
一時間半程の説明会を終えた二人は、ある事に迫られることになった。
「そろそろ、コンセプトを明確にしなければいけない」。
もちろんコンセプトをもっていない訳ではない。古民家風とか、南欧風・シンプルモダン・レトロ
モダン等、大枠のコンセプトはクライアントと打ち合わせを進める中で決まってくる。しかし、
一哲と七幡の事務所では、よりコンセプトを明確にする為にクライアントの住まいに名前を
つけている。
住宅祭の場合、かなり前から広告関連の準備をする為、その名前の期限が数週間後では
なく数日後になってしまった。

今日は新潟祭りの初日、大民謡流しの日。
そこそこ先ほどの件で切羽詰まっているハズの二人は、新潟祭りを理由に定時で仕事を終
えた。
事務所を出た二人は、言い訳にした新潟祭りではなく、事務所の隣の結婚式場から招待を
受けた納涼会へと向かった。
とりあえず今日は、生ビールという誘惑に負けたことにした。

                                               明日からまた頑張ろう!

                                                    つづく
Vol.5 2010.9.1
  

 

 

「構造と工法」

午後8時を過ぎようとしていた。1/3程のスタッフがまだ帰宅せず仕事をしている。
夕方4時過ぎに298円のチョット高級なカップラーメンを食べた堀生は、覚悟を決めて机に
かじりついていた。
帰宅は、ニュース番組の「ZERO~」の声が聞こえる頃だとふんでいる。
彼はある意味、この時間帯に好んで仕事をしている。
電話の音もほとんどなく、スタッフ達の会話も少なく、業務に集中できる。
日中だと一時間かかる作業が、この時間帯だと30分程で終えることが出来る。

そろそろ今回の物件の構造を決めないといけない時期にきていた。
構造といっても、基本的には木造と決まっているが、本来の在来工法で進めるか、SE工法
などの金物の工法で進めるか決めかねていた。
堀生が悩んでいる理由は、今回は長期優良住宅の認定を取得する物件の為、提出書類の
準備・提出から認定までの時間・費用等、普段とは違う面での検討も要素に入れなくては
いけない。
現段階で、長期優良住宅の認定が下りるまで、1.5ヶ月前後はかかると聞いている。
普通の住宅であれば、確認申請を下ろすのに一週間みておけば十分であった。
それに加え2Fにユニットバスが来ている為、その周辺の横架材の入れ方に苦労していた。
ユニットバスのど真ん中に1Fの外壁面が来ているのである。
プランを担当した一哲を少し恨みながら、机上で柱や梁を何度も組み直す作業を進める。
創意工夫科学するが、なかなか良い結果に辿り着かない。

 
少し休憩しようとPCのYAHOO!を開き時計を見た。
9時43分とPCの右下に表示されていた。
ミルクと砂糖をたっぷり入れたコーヒーを飲みながら、もう一度PCの時計を見る。
どうしても今日中にある程度のラインまで、作業を終わらせておきたかった堀生は、この時
点でSE工法を選択する事を決めた。
通常業務では従来と違う手法等を選択する場合、上司の七幡に相談してから次のステップ
へと進まなければいけないが、今回の場合、七幡がNGを出す確立は極めてゼロに近いと
ふんでいた。
コーディネーターの井浦もまだ会社にいたので、その旨を伝える。
SEに変えた場合、梁せい(梁の縦方向の長さ)が高くなり、ダウンライトと干渉する恐れが
ある為、注意を促した。
机の上に積んである本が一冊増えた。一番下に「世界で一番やさしい木構造」、真ん中に
「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」、一番上に「SE工法の手引き」がポンとのせられた。

堀生が帰宅しテレビの電源を入れると「ZERO~」は既に終了しており、深夜のバラエティー
番組が始まっていた。明日は、また朝7時50分から朝礼がある。
自分へのご褒美にと、コップに一升瓶で冷酒を注ぎ、お新香をつまみに15分ほどかけて
一杯だけ飲んで布団に入った。歯磨きをしなくてはいけないと思っているうちに、意識が
遠のいていった。

                                    

                                   お疲れ様でした。おやすみなさい。 

                                                    つづく
Vol.4 2010.8.25
  

 

「契約」

2010年2月21日 日曜日(友引)

目の前にA3の紙が広げられ、文字が読み上げられている。
建築工事請負契約書と書かれた紙が一枚。
建築工事請負契約約款と書かれた紙が2枚。
たった3枚の紙であるが、文字で埋め尽くされている為、読み上げるのに10分以上はかかる
だろうと予想はできた。
「建築工事請負契約書」担当者の一哲が契約書を読み上げ始めた。
建築場所・工期・工事代金・工事代金の支払い方法・個人情報についてと契約書は進んで
ゆく。
「建築工事請負契約約款、(総則)第1条 注文者(以下甲という)と請負者(以下乙という)
は互いに協力し信義を守り誠実にこの契約を履行するものとする」
お互いがお互いの事を信頼し、私の家の建築工事を進めましょうと言っている。
もちろん、この契約書にサインするには、現時点で多少の不安を抱えている。しかし、100%
に近いレベルで、目の前で契約書を読み上げている人物と会社を信頼している事も事実である。
今まで現金で手にした事のない額のローンを組み、こつこつと夫婦で貯めてきた自己資金を
捻出しての買い物。しかも、今後30年以上返済してゆく計画。まさに人生において最大であ
り、ほとんどの人達が一度限りの買い物である。宝くじが当たればもう一回あるレベルの、
レベルの高い買い物だ。
利息の額もかなり膨らんでしまう為、借り入れ先についてはいくつかの銀行を比較した。
日本海銀行・地球銀行・宇宙銀行等、そして、今年はお得感と安心安定感をアピールしてい
るフラット35S(20年金利引下げタイプ)等。詳細な諸経費、借入後の繰上げ返済の条件、
事務手数料にいたるまで、担当者の一哲から試算してもらい、日本海銀行が一番私達に
適していると判断し借入先を日本海銀行に決めた。
普段ATMと向きあうか、マイカーローン程度しか用事のない銀行である。一口に住宅ローン
といっても、驚くほどの種類と金利の商品がある。ほぼ強制的に生命保険にも加入し、自分
自身が不慮の事故や疾病により重度の障害若しくは死亡した場合には、その保険でローン
の残債がまかなえる事も認識した。
昨年の9月には、予算面の折り合いがつかず、一旦、計画を見送りかけた事もあった。この
女池地区周辺では、まだまだ土地の価格が安定しており、なかなか私達のお財布事情と
合う敷地が見つからなかった。少し長い目で計画を考えようと腰を据えかけたとき、一哲が
「女池ボンエルフエコ住宅祭」と書かれたパンフレットを持ってやって来たのである。

「以上になりますが、ご質問はありませんか?」その声で私は現実に引き戻された。一哲
が契約書を読み上げている最中、私は今までの経緯を頭の中で巡らせていた。当然、契約
書の読み上げなど全く頭に入っていないので、文字を確認する仕草を何度か繰返し「ありま
せん」と答えた。
確りとゆっくりと、住所氏名をサインし、押印を自分の名前の横と15,000円の印紙をまたぎ
割印を押印した。
一哲より、実施設計の担当者を紹介された。
堀生(男性)と井浦(女性)の二人から、今後の打合せスケジュール等の説明を受ける。より
具体的な設計が始まる。わくわくとドキドキが一緒になった気持ちの高まりを感じた。
あのチラシを手にした日から、ほぼ一年が経とうとしていた。

 
                                                  つづく
Vol.3 2010.8.12
  

 

「担当者」

スクリーンに次々と緑が映し出されて行く。
普段は暑苦しく感じるプロジェクターの放つ光が、冷房の効いた室内ではちょうど良い暖かさ
を伝えている。一歩外に出ると、汗が一気に噴出す暑さである。
今年の夏はおかしい?地球が怒っているのだろうか?新聞やテレビのニュースでは、連日
熱中症の注意を促している。
一哲は、少し眠たくなるような涼しい室内で、会社主催の勉強会に参加していた。
長岡本社で行われる、ランドスケープを設計デザインする田瀬理夫先生の勉強会である。

正直なところ一哲は、この勉強会に参加するか悩んでいた。午前中に営業会議があるから
である。
今年売上成績がいまひとつの一哲は、会議で根掘り葉掘り突かれるのを苦痛に感じていた。
自分自身で不振の原因をある程度理解し、修正中の人間にとって、自分が理解している自分
の不を突かれる事は、大変苦痛である。心にアンメルツを塗りたい心境でここ数ヶ月は会議
に出席していた。
現在、一哲が勤務する新潟営業所では、「パネル展」のイベントを開催している。それにか
こつけて、営業会議と勉強会を欠席しようと企んでいた。 ぐずぐずと姑息な企みを密かに
練っていた一哲であるが、ある事が気がかりで、会議と勉強会に参加する事にした。
普通のスタッフにとって、会議や勉強会に参加する事は、当たり前の事であり普通に体と
頭脳がそちらの方向に向かうのであるが、心にアンメルツが必要な一哲にとっては、何を
するにも何か理由をつけないと、体と頭脳が拒否反応を起す状態にある。

「まどから何が見えますか?」
「まどから何をみますか?」
「そして自分の家の地面はどう見えますか?」
勉強会の前に田瀬先生が担当した現場を見ているので、話しの内容と画像がスムーズに
頭の中に入ってくる。金網のカゴにココヤシや不綿布のシートなどを内貼りして、カゴの中
にアクアソイルを充填する。
この工法だとカゴの側面にも植栽することが出来る。芝や草で内貼りするとすぐ垂直の草
土手ができるわけだ。立方体のカゴの場合、上面と四側面、計5面が緑になるので5×緑
(ゴバイミドリ)と呼んでいる。
5×緑(ゴバイミドリ)か~。ぐずぐずと姑息な企みを密かに練っていたことなどスッカリ忘れ、
約2時間の勉強会が20分に感じられるほど集中して一哲はのめり込んでいた。 
キキョウやリンドウが絶滅危惧種になっている事などまったく知らなかった。地元の樹木
や草花を使い、確りと根付かせなくてはいけない。その地元の草花の苗さえ手に入らなく
なっていることも学んだ。
「一坪里山」。こんな言葉を一哲は心に刻み込んだ。小さな敷地でも里山は造れる。

気になっていたある課題をクリアー出来そうなヒントを掴んだ一哲は、350缶のビール6本
と仕出し弁当を持ち、日本一といわれる長岡花火の二日目の夜へと消えていった。
                                          どどドぉ~ん

                           参考文献 「びお 2010 summer vol.7」

  Photo by プランタゴ

                                                    つづく
Vol.2 2010.8.6
  

 

「ぷろろーぐ」

いつものように朝刊をテーブルの上に広げ、いつものようにチラシをパラパラと眺める。
3月初めは、さすがにまだ肌寒い。ヒーターの近くにすりより、片手でもう片方の腕を
なでながら、体が温まるのを待つ。
チラシをめくる指も寒さのせいか、少し震えているので、チラシをめくる度に、パチパチと
音がしてしまう。
金曜日のせいかチラシの量が半端ではない。そのうちの一枚のチラシのところで、手が
とまった。
真っ白な紙にえんじ色の文字が目に飛び込んでくる。
「わたしたちの未来は NEVER END」 どこかで聞いたフレーズ!?
「心をぽにょぽにょに」 あきらかに聞いた事のある名前!?
何か心にひっかかるものがあり、そのチラシを鞄の中にしまい込んだ。
そのままにしておくと、子供たちの折り紙やらくがき帳にされてしまうからだ。
いつものようにコーヒーを片手に、いつものように朝刊を一通り読み、
いつものように私は会社へと向かった。
もちろん、あのチラシの入った鞄を持って。
朝刊の日付は、2009年3月6日金曜日。
会社へ着くと、時間との戦争が始まった。鞄の中にしまい込んだチラシの事は、次の日
のお昼頃まで思い出すことはなかった……。

 
                                                    つづく
Vol.1 2010.7.31

 

「アミノみるく誕生物語」

今秋9月に開催される「女池ボンエルフ」の住宅祭出展に向け、いよいよ工事が始まりました。
こだわり満載のお住まいが出来るまでの「アミノみるく誕生物語」をこれから更新していきます!

皆様お楽しみに!!

                                                         
                                                  2010.6.4