シンボルマーク

ホップこども園 森棟


見附市
幼稚園・保育園
「森の潜水艇」ホップこども園 森棟

森の潜水艇

 

こども達を森へ還し、
森の海を自由に潜ったり浮かんだりして
心身を豊かにする「あそびとまなび」の計画です。

園とは離れた敷地で別棟として運営される「森棟」。
教室からの距離と移動時間を考えた場合、
休憩や水、トイレといった最低限の機能は
建物無しでは解決できません。

敷地は大人でも入ることが出来なかった深い森ですが、
こどもの活動には森の奥へ自由に入って行ける環境が必要です。
しかし自然にふれる環境で無くなっては意味が有りません。

木々や生態系を極力残しても、こども達が怖がらずに
積極的にアクセスする気持ちを引き出す建物が
森の潜水艇です。

この計画は、こども達が新しい経験値を増やす活動を、
建築が手伝う共同作戦となりました。

行くのが楽しみになり、
自然と過ごす時間を好きになれるように、
こどもの成長を促す機能を、以下の3点に絞りました。

 

帰還 Return to Nature

非日常を演出する 木々の海に停泊する森の潜水艇

 

「人間は自然の一部だ」
とエーリヒ・フロムは言いました。

今回のプロジェクトは「こどもを自然に還そう」
という原点から始まっています。

建物は森と一体化し、
ルーフテラス、階段、デッキなどで
自然とつながる景色となりました。

大木の下に佇む、停泊中の森の潜水艇。

 

ルーフテラス・階段・デッキが外とつながります。

 

発見 Move & Discover

あそびとまなびの渦

 

建物の形状は、既存大木を避け、
かつ近づく様に計画されています。
動線は森海(森の奥)へ渦を巻く様に移動していきます。

冒険無くして発見無し。
発見は一番奥にあるのではありません。
移動していく中で興味のあるものを見つけてアクセスすることで、
渦の数だけ発見が生まれます。

潜水艇の船橋のようなハイサイドライト。

 

本を読むスペース。ニッチな空間は本好きの渦を生みます。

 

ぐるぐる回れるあそび場。

 

森海の奥とつながる一人ベンチ。

 

共有 Shared Space = Access Point

天候に合わせた3つのシェア広場

 

甲板
内からそのまま思いっきり外
靴を変えなくても大木の枝に近づく大パノラマ

砂浜
内からそのまま半分外
靴を変えなくても外で遊べる全天候型ルーフテラス

船窓
内と外が直接リンク
全方位のぞける森海窓のある共有空間

内と外をつなげる3つのシェア広場が、
共有時間を包み込みます。

甲板(2Fデッキ)からは大木を見渡せます。

 

砂浜(ルーフテラス)は渦のあつまる共有空間に。

 

 

小さな砂浜(ルーフテラス)は、屋内共有空間に。

 

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船舶窓とそこから見える泡沫をイメージした丸・四角のランダムな配置。

 

 

甲板(2Fデッキ)と砂浜(ルーフテラス)のチューブホール。

 

第30回「建築作品・新潟県賞」にて優秀賞を受賞しました