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NO.6 「裏切られた収納」・・・・立体的に空間を考えて

2007.11.2

欧米の収納占有率は建築総面積のおよそ20%。対する日本の収納占有率は5%-10%。物持ちの良い日本人にとって収納機能不足は永遠のテーマで す。住まいづくり、当然、誰でも夢膨らむものです。しかし現実にはさまざまな条件から建築面積が制約されてきます。どちらかというと裏舞台役の収納機能は 後回しにされがちです。
物事には必ず表と裏があり、表は裏によって支えられています。言い方を変えれば表と裏はつながっているのです。反対につながっていない切れている状況を「裏が切れている」つまり「裏切った」、「裏切られた」という言葉になってきます。

住まいづくりにおいて、収納部分をなおざりにすると住まいづくりに裏切られた事になりかねません。
面積換算されない空間を有効利用した、Hさんの好実例をご紹介しましょう。
とかくベッドと机を置くといっぱいになるのが子供室です。そこで、押し入れ部分を部屋に組み込むために下段に1メートルの収納をつくりつけたベッドを提案 しました。(2段ベッドの下段が全部収納だと考えてください)。立体的で、おもしろく、広い空間ができあがりがりました。
さらに、寝室については全体の面積的制約から、大きさにして約七畳大が精いっぱいでした。固定式のベッドは避けたいと希望されていましたが、普通畳ではメ リハリがつかない。思い切って畳四畳分そっくり四十センチ上げて畳ベッドにする。並列に布団を敷くと一畳丈では布団がこぼれる。そこで三十センチ幅ほどの 板部を作る。(小上がり板を連想していただければ結構です。)この部分は普段は畳の下に収納されており、布団を敷くときに引っ張り出して使うことが出来 る。ここは単なる箱ではなく、ふたを開ければ手編み毛糸の収納庫でもあります。ふたの裏には仕切りが作られており、建て掛けると小屋裏への階段にもなりま す。可動という考えを持ち込むことによって、平面的だけでなく立体的に空間を遊ぶことができるのです。七畳という狭さを感じさせないばかりか、何倍も楽し ませてくれる豊かな寝室空間が誕生しました。
面積にカウントされる平面的収納だけでなく、立体的に収納を考えることでバリエーションは広がり、さらに可動の概念を組み合わせると単なる収納としてでは なく、楽しい空間創造に発展していくのです。天井、床下、壁面が収納の宝庫だと気づいたとき、収納不足の嘆きが感動に変わります。家づくりのときは、わく わくして宝探しに出かけるような気持ちで収納を考えたらいかがでしょうか。

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