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NO.9 「強・用・美」・・・・”バランス感覚”が大事

2007.11.23

毎日のようにどこかで揺れている日本列島。プレートの交差点であり、もともと断層の上にのっている列島ですから、地震は避けることができません。大きな地震のたびに建築基準法が見なおされ、強化、整備されてきました。
建築の三大要素は「強・用・美」だといわれております。人がその中に住むものですから、壊れては困ります。強い構造計画が第一条件です。また、建築物に は、それぞれの機能や目的があります。それらの用途機能を満たさなければなりません。さらに、長期間にわたって地上に存在するのですから、景観環境に大き く影響を及ぼします。美しさも大切です。それらの総合的バランスが問われているのが建築だと言っても過言ではありません。
つまり、特に頑丈にすればよいという発想は、ガチガチで閉鎖的な空間を造ってしまいがちです。生活するうえでは、いかに開放を求めるかも重要です。人間は 本来「包み込まれる空間」、「囲われる空間」に安どし、その空間獲得そのものの歴史でもありました。しかし他方では、閉じるだけでなく開放させていくこと がとても大切な要素なのです。

日本の建築は、長い間、自然との共生、開放感を大切にしてきました。そのことは今も変わりありません。太陽光や自然景観を取り入れるための「開ける」と強度上の「閉じる」のバランスこそが大切です。
四年前に長岡ニュータウンで住宅博があり、私どもも参加させていただきました。大変、景色の良い場所が提供されていました。にもかかわらず、時代の風潮は 強さのためであれば、閉鎖的でもよいといったものでした。そこで、わがプロジェクトチームは強くて開放的なものを建築しようということをコンセプトに出発 しました。
閉じる所はしっかり閉じ、構造的部分をもたせるため中央にコンクリートのセンターコアを作り地震に対する水平力を受け持たせました。これにより、開口部 (窓)を大きくとることができ、広々とした間取りでゆとりが生まれました。(ちょうど高層ビルのエレベーターコア-とカーテンウォールのような関係です)
振り子が大きく片方にゆれたときこそ、もう一方の反対側を忘れないようにするバランス感覚が大事です。建築はいつの時代にも総合的に考えなければならない ということです。現代の建築のキーワードは安全・安心・健康です。強い家が求められる時代にこそ、用と美を忘れない建築が求められているのです。

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