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NO.49 「空間をつなぐ廊下」・・・・楽しさ演出する道具に

2008.07.31

廊下型プランは長い間、玄関ホール型と共生しながら、戦後の主流を担って来ました。廊下の機能の一つは部屋と部屋をつなぐということです。しかし現 代では欧米のエントランスホールから即リビングへ入るスタイルが多くなってきています。しかしこれは何も新しいスタイルではありません。日本古来の住まい も”前の間””次の間”といったように部屋と部屋の重なりが一般的でした。
家が家族だけのためではなく、地域の人たちの会合、冠婚葬祭の儀式などの公式の場に多用されていた時期は、一線を画するに廊下は大変重宝なものだったのです。しかし公民館や各専用建築物の出現は、家を家族のプライバシーの場に専属化したのです。
もちろん、なれ親しんだ建築手法なので今後ともパターン化されたプランからは決してなくなることはないでしょう。

今から7年前に建築されたKさんの場合は、敷地の東側が公園に隣接しているので、「外とも一体となった開放感のあるのびのびした家がいい。でも畳 の生活が好きだから二間つながりの和室が欲しい。」和の雰囲気を大切にしながらも楽しく自由に使える空間を希望されていました。
話が進むうちに和室の周りには廊下と縁側をとることになりました。ここまではまさに従来型なのですが、廊下も縁側も建具の開閉のし方で全く部屋の一部・ リビングダイニングと一体化しようというものです。さらに廊下の片側には壁面ニッチをとり二間(3.6m)のギャラリーを造り、スポットライトで演出する ことになりました。
見方を変えれば、和室六畳には正面に正式な床の間が、そして開放された廊下側にはサブの床の間があると考えることができます。この廊下は、建具開放の度合いによってお客さまと家族の距離感をとるとても便利なツールにもなってくれているのです。
Kさんの廊下ギャラリーは、現在では子供たちの楽しい工作、絵画、習字や思いでの写真が、壁いっぱいに所狭しと飾られ、家族をつなぐメモリアルスペースとしてぬくもりの空間づくりに貢献してくれています。
廊下は、アイデア次第で楽しい空間に生まれ変わる可能性を大いに秘めているスペースなのです。

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