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復路から見える往路には宝の山が!

2010.04.27

暦は正に往路に対する復路である。
見えなかった反対側が少々見え始めた。

*巣舞いづくりのお手伝いさせていただいた建物が、時を経て今度は反対に私達に語り始めることが多々ある。
言葉が発言者を越えて独り歩きするように、つくられた建築物がブーメランの様に一周して多くのサジェスチョンを持参してくれるのである。
単に、忘れていたことではないかと一蹴されそうであるが?単なる健忘症として片付けたくないのである。
巣舞いづくりは、一回性と言う信念・心情を強く持ち続けて来たことの証でもある。
後ろを振り返らず、前のめりに集中してつくり上げてきた結果である。それでも、すっかり過去のものとして忘れていた自分に気がつかされた時のショックは大きい。
還暦になって余計にその感を強くした。今までは往路であったので振り返ることをしなかったようである。と言うよりは苦手であったと言った方が良いかもしれない。全てのエネルギーは、新しいものをつくり上げて行くのに費やされていた様な気がする。しかし、現在は復路の景色を見るようになった。正確には見ることが出来るようになった!と言ったほうがいいかも知れない。
今年は見学会が500回目を迎える年である。500回はやはり一つの節目である。どんなイベントをやるよりも還暦にちなんで振り返ってみることの大切さを覚え始めた。
建てさせていただいた建築は2000棟になろうとしている。本当に感謝である。しかも、弊社の方針としては一軒として同じ建築をつくって来なかったことだけは自負に値すると胸を張る。(こんな大仰なことを言った後ですぐ反省)
建築主様の想いを放題紙(想い放題・言いたい放題・書きたい放題)に書いてもらい、我が家だけのすまいづくりのお手伝いをさせていただいたからである。
*燕市で建築されたI様は、第486回目の見学会である。4月24日・25日・26日の土曜日から月曜日に開催された。
コンセプトは「栞(しおり)の家」!建築主様が小学校の先生でもあり、書籍が沢山あるのでその書物をインテリアのツールにしようということになり、書棚を楽しくデザインすることができた。
一面性の書棚ではなく、階段室を巻き込んだ立体的な書棚はとても楽しいことである。書籍の様々な文字スタイルやカラーカバーが並んだ時を創造するだけで余計に楽しくなってしまう。巻き込んだ書棚に書斎机が配置されとても居心地の良い空間が出来た。
I様邸のゾーニングで一番困ったのは、その土地選びの時の迷いがそのままプランニングに現れている。
そしてその迷いを見事プランニングで解決できたことである。
南側道路に面した敷地は、反対側にある程度の広さを持った空き地があることである。そのまま空き地であれば南側に面する位置に居間を配置したであろうが、この空き地に、もしもマンションのような建築がされた時は大変居心地の悪いすまいになってしまう。
そこで敢えて、北側にリビングを持ち込む。そのリビングに南東の光を取り入れるためにコートを取る。採光シミュレーションをして実現した空間はとても居心地がいいものになった。建築主のI様からは絶賛を頂いた。
ゾーニング・プランニングの第一条件に採光の取り方がある。採光方式のバリエーションは即、豊富なデザインを生み出してくれる。いずれにせよ、採光は建築の空間づくりに大きな影響を及ぼしているのである。
往路で作り出した採光デザインを復路で実例を振り返ると本当に多種多様である。
・インナーコートを取って採光する。
・天窓・トップライトを取って採光する。
・採光塔をつくって北側に光を落としこむ。(T病院第4病棟 N様邸)
・北側居間にトップライトから南光を取り入れる。(ケアーハウスT)
・東側道路に開放している窓を南北に三角形の出窓でかませる。(M様邸)
・南面太陽光を完全遮断する。スリットで対応して落ち着いた暗さ空間を(居包陣住宅)
・Etc.etcである。採光方式も様々である。ここを成功すると住まい作り全体が成功する。

  
I様邸の書斎は階段横に!書棚は階段室を取り囲むように書斎とマッチングし手を伸ばせば届きそう

  
渡り廊下床もガラス張りで光を透過  階段室から見る書棚  北側リビングにもたっぷりな南側陽光

 
南西側外観(シンプルビューティー)                      南側エントランスを観る

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