高田清太郎ブログ

カワセミ軍団に出会った:“鮮やかな彩り”=感動バイブレーション!



エッセイ

神様のパレットにはどのくらい多くの絵の具があるのだろうか?

リプチの森の横には太田川がゆったりと流れている。南蛮山や山古志から降った雨の一滴が、他の水を集めながら小川となり、日本一の長い信濃川に注ぎ込む。太田川自身はそれ程長くない川でもある。
雨が降ろうものならすぐに泥まみれの川となり、決して清流等とは呼べないのだが、ここに渓流の宝石と言われるカワセミが巣くっている。
朝の散歩の楽しみの一つは、太田川でカワセミに会うことである。初めて出会ってもう10数年になるだろうか?姿が見えない日はいつしか名前で呼ぶことにしている。カワセミのカッシーである。
勿論何羽いるか私には分からない。それにしても、長い間一羽しか観測できなかったが、一昨年、同時に二羽見たことがある。それ以降は依然として一羽としか出会わなかった。
町内のFさんは野鳥観察委員と聞いた。町内祭りの打ち上げ会でカワセミの話で盛り上がったばかりである。Fさんが言うには、JRの鉄橋から太田橋までの1km弱のところに7羽観測されていると言うのである。一度に7羽が飛んでいなければ、7羽を見分けることができないのではないか?皆同じ姿かたち・色合いをしているから見分けが付かない。一羽一羽の顔を識別できないからである。が私の稚拙な意見である。それでも私は長い間一羽か二羽としか出合ったことがなかったので、きっとそれ以上の複数に出会うことはないだろうと思っていた。
ところが、ところがである。先日の朝、びっくりである。何・何と!5羽のカワセミが目の前を大カーブをつくりながら直列に飛んでいくではないか?しかも水面すれすれに!弾丸ロケットのように!びっくり・ドッキリである。思わずコンパクトカメラでパチリ。5羽同時にはカメラに入らなかったが、3羽を撮ることが出来た。
何と凄いことだろう。今年の梅雨は長く散歩道も重い空気が漂う毎日であったが、カワセミの群団に出会った途端に何とも表現できない驚きと温かい喜びを手にすることが出来た。Fさんの言う7羽が居るんだ。とうなずいてしまった瞬間である。
渓流の宝石と言われるだけあって、カワセミの背中は鮮やかな緑とトロピカルブルーをしている。止まり木に止まっている時は青や緑だけでなく、黄土色にも見える。インターネット(ウィキペディア)で調べてみると、「カワセミは本来青くなく、光の加減で青く見える。これを構造色といいシャボン玉がさまざまな色に見えるのと同じ原理。特に両翼の間からのぞく背中の水色は鮮やかで、光の当たり方によっては緑色にも見える。漢字表記がヒスイ(翡翠)と同じなのはこのためである。」とのこと。
何れにせよ“鮮やかな彩り”に出会うことが出来ると思うだけで、これからの散歩が一層楽しくなりそうである。