高田清太郎ブログ

サフラン酒本舗吉沢仁太郎商店の離れ座敷の公開



イベント

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高田建築事務所

第9回”おっここ市”が10月5日(土)に開催!長岡の米百俵祭りと連動する仕掛けである。同日にサフラン酒本舗吉沢仁太郎商店の離れ座敷が公開される。
*    10月の第一土曜日は長岡本社のホームわが町:摂田屋でおっここ市が開催される。
・    曇り空ではあったが今年も盛大に開催された。
・    醸造の町摂田屋で生産されている味噌・醤油・お酒が所狭しと即席店舗のテーブルの上に載っている。来会者は買い物をとても楽しみながら摂田屋を散策する仕組みである。
・    出展者からは大きな掛け声が至る所から飛び出してくる。
・    今年はステージ上のイベントは無いらしい。
・    今年の目玉は何と言ってもサフラン酒で有名な吉沢仁太郎商店店主の離れ座敷と庭園を拝観が出来る事である。
・    サフラン酒の鏝絵は日本一の鏝絵であり他の追随を許さない。この道の専門家によって研究され報告されている周知の事実である。
・    しかし、それにも劣らないご自宅母屋や離れ座敷や蔵は日常はなかなかお目にかかれないのである。この度は離れ屋敷の公開ということをメディア(新潟日報10月4日)が記事として載せた事も重なって多くの来会者を呼び込んだ。
・  玄関を入ると土縁と平行に設えられた廊下は圧巻である。
・    玄関は土間と連続しており、正面には寄り付きの座敷がドーンと配置されている。そこには大きな屏風がどっしりと腰を据えていた。(残念ながらその奥の床の間は見る事が出来ない)
・    土縁を伴った長廊下でお出迎え。そこに待ち受けていたのが長岡造形大学の平山育男教授である。
・    “皆さんこれからご説明をいたします”と大きな声が家中に響き渡り太鼓の鳴り音で来館者は耳をそばだてる。
・    大きな幅広のでムク7分厚の欅の一枚板はとても見ごたえがある。杢目も交互に合わせながら設置されている。
・    縁側の桁は杉の磨き丸太である。一本物である。
・    説明員である平山先生から突然私に質問が発しられた。材木屋さん(我が家はおやじの代から材木店を生業としていた関係で材木屋で通っていた)この野地板の木はなんですか?
・  あまりにも唐突に質問されたことと桐が野地板に使われているなど考えていなかったから返答に窮していたら、これは桐です。と答えられた。
・    縁側天井は桐の木がふんだんに使われている。あれっと思われるかもしれないが長岡のこの地はもともと桐の植林が活発であった。昔はお嫁さんに出す時には桐の木を一本切って箪笥を作って見送ったと言われている。
・  質問は続く:それではこちらは?・それは楓です。
・    ではこちらは?こちらはエンジュです。・・・
・    風格を持った和室の天井は繰上格天井と竿縁天井が空間に威厳を与えている。
・    書院の組子木建具はとてもきめ細かで日本のアラベスク調でもある。構造は三角形が基準であるから細いがとても頑丈であると説明があった。
・    二階の廊下ガラス戸はハートマークの猪の目をした組子で支えられている。
・    照明器具にも家紋がデザインされており贅を尽くした光を提供していたことだろう。
・    まさに陰翳礼讃の空間である:部屋は全般的に暗く落ち着きと威厳を与えて止まない。

*    そして機那サフラン酒本舗の庭園にも大変な贅が尽くされていた。
・    元々サフラン酒本舗は明治後期に吉沢仁太郎氏が一代で築いたと言われている。
・    頑丈な石塀で囲まれた不思議な一区画は正にワンダーランド?
・    直径2mほどの赤玉石(佐渡産)や鬼押し出しから運んで来た石垣も見どころである。
・    さぞかし栄華を誇った庭園も長い間管理されずにいた。雑草も竹も生え放題・ほっぽりかせていたのである。
・  私の毎朝の散歩道である西道(サフラン酒からは裏側になる)から目にする建物も庭も荒れ放題であった。
・    10年数年も前に材木屋の関係で母屋に入らせて頂いた時の庭は往時の勢いを欠いていたからである。
・    しかし、この度のオープンに先立ってボランティアの人々によって庭園も離れ座敷の中も確りとクリーニングされたのである。

*    実は・・・(NPO法人 醸造の町摂田屋町おこしの会の報告から転載)
・    機那サフラン酒本舗の3千坪の屋敷には今回草取りをした庭園をはじめ5つの蔵と母屋、離れ、店舗、サフラン酒製造所などがありそれぞれが立派な文化財です。鏝絵の蔵は昨年修復をすることができましたが、それ以外は中越大震災の後、激しい損傷にもかかわらず未だに何も手を加えることができないままの状態です。
・    一般の方は普段目にすることができないのでその存在さえ伝わっていないのが現状だと思いますが、民間人が建てたこれほどの歴史的建造物は全国的に見てきわめて少ないと思います。このまま朽ちてしまうにはあまりに惜しい文化財です。
・    公開はされていませんので普段は見ることは不可能ですが、来春もボランティアを募って草取りを実施する予定です。その際には是非ご参加ください。近い将来機那サフラン酒本舗全体が修復され一般公開されることを願って活動してゆきたいと思います。
・    ・・・・・そしてこの度の公開であった。皆から出るため息にオープンの喜びを噛みしめた。

*    この同日に秋山孝ポスター美術館長岡で第22回目のAPM大学が開催された。
・    第一回東京装画賞の審査に当たられた先生方(秋山孝・末房志野・御法川哲郎先生)による鼎談である。その後、懇親会も大変盛況であった。
・    同時にAPMとAPM蔵では高田光美さんによるワークショップで版画の製作が行われた。
・    10月第一土曜日は摂田屋・宮内はとても華やいでいた。



お馴染のサフラン酒鏝絵蔵

離れ座敷外観

ご案内は元気出る平山節で!

縁側天井には桐材が豊富に使われた

縁側空間に敷き詰められたケヤキ板

立派なケヤキ杢です!

きめ細かな欄間

飾られた古根木

格天井は風格を与える!

ガラス戸の組子桟に施された猪の

書院戸は日本のアラベスク模様の組子障子

魅了されてどんどん近くに吸い込まれる!

基本は三角形でしっかりとした構造で成立

懐かしい障子戸で心も和む

照明器具もとても手の込んだつくりだ

障子戸組子のバリエーション
玄関前の寄り付き座敷に置かれた屏風

庭には赤玉(佐渡産)が置かれている

敷き詰められた石


龍に乗る鳳凰(?)


風鈴の説明する学芸員役の児童と説明に聞き入る来場者