高田清太郎ブログ

ハニカム構造・ハニカムコア!強度と美



建築/巣舞.間知.趣舞

すまいは巣舞
巣は形・舞は想い
想いを形に
巣舞るフォー・ユー
高田建築事務所

*    “至急に事務所改装現場に降りて来てみてもらいたい!”と棟梁から私に電話が入った。
・    現場から来る急用は何時も不吉だ!
・    「どうした?」
・    まず思い浮かぶのが現場災害事故である。現場ゼロ災害も2800日をリコードしている。3000日までもう少し。丁度その日が9.11とは何という符合か?(勿論3000日が終着点ではない。ゼロ災害は無期限に望まれるムーブメントである)
・    電話の向こうではざまめきついている。
・    “事故じゃないです。天井裏に凄いものが住んでいた。”
・    ・・・
・    ともかく凄いものが住んでいたから。
・    「ハクビシン?でも住んでいたかね?」
・    ・・・・・
・    最近話題になっているのでとっさに答えた。
・    “ともかく来て見て欲しい。”との電話で切れた。
・    行って見るとびっくりである。
・    それは、それは凄いスズメバチの巣が出来ていたのである。
・    現場の大工さんの卵達はおっかなびっくりしながら蜂がまだいるかどうか?顔を背けながら少しでも離れたい心理を働かせながらチェックしていた。
・    結果は蜂の住蜂はすでに無くもぬけの殻である。
・    それにしても凄い大きさだ。長辺:70cmもある。
・    スズメバチに刺されるて即死した話も聞いているだけに皆慎重だ。

*    場所は12畳大の打合せ室のひとつの天井裏であった。
・    昨年から計画していた打合せ室の改修工事が始まったのは、月曜日からである。
・    カタログ資料を移動したり今までの収納庫を移設する事前準備から始まった。
・    漸く、壁天井を取り壊し始めて、そんなに時間も経たないうちにスズメバチの巣との遭遇である。
・    シロアリやハクビシン・蛇の抜け殻ならそれほどびっくりもしなかった。勿論蜂の巣でも普通大の大きさなら想定内であったはずである。
・    しかし、何と70cmX50cmX25cmという巨大な巣であった。
・    内部は5層になって巣が作られていた。
・    まるでエイリアンの巣みたいで、うっとりと見つめている眼はいつの間にかサイエンス+サスペンス仕立てになっていた。
・    二階根太と吊木から釣り下がった巣は、電話配管を飲み込みながら成長して行った。
・    建築手法はなんともいえない現場主義である。そのダイナミックさに驚かされた。
・    巣自体はとても柔らかい、力を加えるとすぐ壊れてしまいそうである。
・    木を扱うことには長けている大工さんも蜂の巣だと一筋縄でいかない。
・    スズメバチはとても獰猛だ。駆除専門業者に見てもらったほうが良いのでは?という意見も出たりして、おっかなびっくりの巣の切り離し劇であった。

*    巣の構造を見ると綺麗な正六角形をなしたハニカム構造(Honeycomb Structure)である。
・    ハニカムコアの構造の強さは古来から知られており、様々な分野で使われている。
・    特に自身の荷重を軽減しながら強度維持をするときに採用される優れものである。
・    元々は安定構造である三角形の役目を隣同士の六角形セルが果たしてくれている絶妙の構造系である。

*    取り敢えず、事務所のショールームスペースに仮置きすることとした。
・    ご興味のあられる方は弊社においでの節には是非ともご覧頂きたい!

*    又改装をしていると耐震壁としては筋違に代わるものとして板がビシに打ち込まれている。
・    当建築は建築されて40年近くになる。
・    親父がその昔、材木店を始める前に大工をやっていた。そのときの知恵が構造に生かされていた。荷摺り工法と呼ばれていたと聞いたことを想いだす。
・    大風や地震に対抗する水平荷重に対応するものであり筋会の何倍にも倍率を上げることができる。今で言う合板壁の前進であった。

*ハニカムコアについてはウィキペディアにも沢山の資料が掲載されているので参考に覗くと楽しさがましてくる。

*    ヒメスズメバチの巣をショールームに展示することにした。