社長ブログ

「引き算で輝く借景」



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弊社のホームページをご覧いただきありがとうございます。

この度ページをリニューアルいたしました。

 

これを機に、私もブログをスタートすることとなりましたが、

今まで書いた事がないので少しドキドキしております。

拙い文ではありますが、もしよろしければお付き合いいただけたら幸いです。

 

 

この写真は長岡事務所の「14番」打合せ室です。

 

ここからたくさんのお客様の物語が生まれてきました。

平日のお昼は社員のランチスペース、

ちょっとした社内ミーティングもここを使います。

サンプルを取り出してこの部屋にこもって設計に集中する者もいます。

 

様々な場面で活躍する打合せ室。

 

 

3年前に玄関と打合せ室の内装を大々的に改装しましたが、

この部屋もそのうちのひとつでした。

 

改装は更地で自由度の高い新築とは違い、「既にあるもの」からの出発です。

「何を生かすか。」

新築よりシビアなこの問いは改装の宿命です。

 

 

空間の質を大きく左右するひとつに開口部があります。

平たく言うと窓のことですが、

外とつながりを持つ大事な要素。

開口部(サッシ)は外と内の境界です。

 

内装のデザインのためにサッシを変えようとすると、

外壁にも手を加えなくてはいけません。

おおがかりな工事になってしまいます。

 

できれば既存のサッシはそのままでいきたいところ。

考える力は大きくても、物理的には少し手を加えるだけにしたい。

狙うのは控えめな工事で最大限の効果。

 

 

改めて「既にあるもの」の確認です。

窓の外は何が見えるのか。

 

そこで何気なく見ていた植栽が目に留まりました。

これをドラマチックに借景できたらどうか。

フレームで切り取ったら見え方が変わるのでは。

 

 

そこでデザインを足すのではなく、サッシを隠す。

引き算のデザインです。

 

薄い板材で既存サッシが隠れるように手前に追加。

屋内からの見え方は枠も無い、壁に穿たれたボイドだけ。

フレームに切り取られた植栽が目に飛び込んできました。

 

明るさを抑えた部屋の中から外の植栽に視線が向かう。

枠の存在を消すことで、もともとあった植栽が今まで以上に輝きだす。

「既にあるもの」を生かすのに借景はとても有効です。

 

 

ちょっとした工夫でデザインはいきいきとします。

デザインは面白い。