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「構造 即 デザイン」

2021.07.13

・6月、長岡市摂田屋に新しいテナント建築「ミライコンパス」が誕生しました。

構造用のパネルが即デザインに反映された、力強くも特徴的な外観をしています。

 

構造が外観に現れている

 

・この建物が建つ摂田屋は「醸造のまち」と言われるほど、酒、味噌、醤油など醸造に関する蔵元が500m四方の中に6蔵も点在しています。(全国的にも珍しく美しい佇まいをしている)

・その中のひとつ旧機那サフラン酒本舗の敷地を長岡市が購入し整備を進めており、市は「摂田屋地区情報発信・地域交流拠点」として力を入れています。旧サフラン酒本舗敷地内には明治から大正・昭和にかけて建築された10蔵が点在しており、建築物は順次リノベーションされていく計画になっています。その第一号として「米蔵」が昨年の秋にオープンしたところです。ニックネームは「摂田屋6番街・発酵ミュージアム」とも呼ばれています。

・そのサフラン酒の駐車場に隣接した位置に、このミライコンパスは位置しています。

 

1F キッチンのあるスペース

 

・ミライコンパスは地域の未来に向かう羅針盤(コンパス)という意味が込められており、外観はミライコンパスの頭文字である「M」とコンパスを表現しています。

・1Fはキッチンを配置し、発酵食品の研究にも利用できるワンルーム。2Fは木版画アーティストの高田光美さんのアトリエになっており、優しくほっこりした気持ちになる作品が展示・販売されています。

(高田光美さんのHP https://mitsumitakada.com/atelier)

 

建て方時 2層分の一体パネルを2間置きに配置。

 

・建物の工法について少し触れます。この建物は実験的な作り方でもありました。

・多くの木造建築で採用されているのは、柱・梁・壁を順番に建てる在来軸組み工法です。ここでは2階分が一体となっているパネルを工場で作成し、建て方は現地で対になっているパネルと、2階の床梁をつないで一体化します。それを長手方向に2間(約3.6m)置きの間隔で配置しています。柱・梁・壁を一体につくってしまうとも言えます。

 

2階 パネルと小屋裏の構造が即デザインになっている

 

・構造については、パネル化することで小屋の梁と柱を一体と考え、土台足元の2つのピン接合と小屋の中央でのピン接合の計3ピン(スリーヒンジ)構造として安定させています。建物は2.5間(約4.5m)とそれ程広くない間口ですが、構造の形がそのまま外部、内部に現れることでデザインの力強さが感じられます。

・もともと構造即デザインは建築の世界では歴史のあるテーマで、ここでも構造、工法、デザインが織り交ざった試みとなりました。

 

 

・先日ミライコンパスのお披露目会がありました。地元の方から「地域活性化のきっかけになってくれるのを期待しています」とお声がけいただいたのが印象的でした。

・この建物が単体の点だけではなく、周辺とお互い呼応し合いながら地域貢献できる面のような建物になっていくことを願っています。

 

「ミライコンパス」その他写真はこちら

 

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