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「熊本城」

2021.06.7

久しぶりのブログ更新となります。

爽やかな過ごしやすい気候が続くこの頃、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。

昨年から続いているコロナ禍。もうしばらく活動の自粛が続きそうです。

日本でもワクチン接種が徐々に広がり始めておりますが、一日でも早く全国にゆきわたることを願っています。

 

また住宅業界では「ウッドショック」による、材木の価格高騰、入手困難な状況が発生しこの業界のアキレス腱になりつつあります。弊社も材木が滞らないように今までに無いぐらい頻繁に在庫チェックをしております。平常時に戻るにはもうしばらくこの状況が続きそうです。

 

コロナ禍によって人の移動が制限されている昨今、様々なセミナーがリモート化してきていますが、これがとても便利です。

以前でしたら少し気合を入れて遠出していたのですが、その必要もなく、気軽に参加できることがこれからますますスタンダードになっていくのではと感じています。

 

以前は外の情報を知るには、物理的にも移動して確認することが多かったと思います。それが今は外出を控え内側へ内側へ身体の動きを抑制しながら、ZOOMなど情報は外へ外へと広がっていきます。情報化社会はすでに広がっていましたが、物理的内向性がそのコントラストを今までにないほど浮かび上がらせているのではないでしょうか。

 

 

その便利になったセミナーですが先日、日本設計が主催の「熊本城の過去・現在・未来」セミナーを視聴いたしましたので少しお話したいと思います。

2016年の熊本地震で九州の広いエリアで被害が発生しました。熊本城も被害を受け、瓦が落ち傷んだ姿を覚えてる方も多いのではないでしょうか。

改修は長期間にわたるそうですが、空中に浮く特別見学通路公開の節目としてこのセミナーが開催されました。

 

設計、現場に関わった方々の静かでも熱い思いのこもったディスカッションが繰り広げられると同時に、熊本市のシンボルとして市民から応援されている特別な現場だとひしひしと伝わってきました。

 

この特別見学通路のコンセプトは、お城の復旧が終わった後に全て公開ではなく、復旧している最中であるその過程も公開し一般の方に見ていただくための通路になっています。

そしてこの空中に浮く見学通路のアイディアがプロポで選ばれた理由になっていたそうです。

 

建築の工事中は一般的に養生シートやパネルで囲われ完成に近づくまで中が見えないことが多々ありますが、中が透けるシートを使うなど復旧過程も市民に見てもらえる工夫もあったそうです。

 

プロセスを見ることは、成長(復旧)を見ることであり、自分もそのプロジェクトに参加している感覚を覚え、ひいてはそれが思い入れにつながっていくことになると思います。今まで以上に熊本城は市民のシンボルになるのではないのでしょうか。

関係を持ち続ける、気持ちの面でも当事者になれるきっかけを盛り込んだこの案はとても素晴らしいものだと思います。

これは意匠的なデザインを超えた人のつながりをデザインしたとも言えます。

 

 

私自身も11年ほど前に熊本城に行ったことがあり、今回のセミナーが気になったきっかけでもありました。

それまではお城といえば、恥ずかしながら曲線を持つ瓦屋根や権威の象徴的装飾などどこか古めかしいという先入観がありました。

 

ところが行ってみると衝撃的にモダンであることに驚かされたのを覚えています。

石垣、瓦、板張り、漆喰、植栽あらゆる素材がピュアに美しいコンポジションを持ちながら建っているとてもミニマルな建築だと理解しました。

 

熊本城

 

日本建築は屋根の建築と言われるほど屋根の存在感は大きく、まずそちらに目が向かいやすいのですが、実際に広い敷地内に身を置き歩いてみると、屋根以外の壁や塀、植栽など、ひっそりとしながらも洗練され存在感あるデザインが溢れていることに感動したことを今でも覚えております。

 

今回一般公開がスタートした特別見学通路に興味を持ったとともに、熊本城も以前とは違う新たな価値を帯びたカタチで修復されるその日がとても楽しみです。

 

熊本城

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