一度も来たことのない所だというのに妙に懐かしさがこみ上げてくることがあります。
初めての空間なのに――確かにこの場所、この風景――懐かしさのあまり涙ぐむことさえあります。
日本人の心に残る強烈な風景のひとつに、農耕文化の風景があります。
山々を背に横たわる黄金色の大海原、たわわに実った稲穂、越後人のノスタルジアを語る時にも
田園風景をさけて通れません。日本一の穀倉地帯――そこには、はさ木と穀物倉が点在しました。
どこにでも見られたそれらも最近ではあまり見かけなくなりました。春・夏・秋と風と戯れたはさ木、
厳冬の雪原に肩を並べて佇む姿、越後に生まれ育った私達の心の風景――ノスタルジア