新潟県内、長岡市内でのマイホーム購入、リフォーム、住宅、建築のことなら高田建築設計事務所におまかせください。

社長ブログ

*    新潟県でご活躍された片野四郎画伯展が開催された。春に開催された遺作展第一弾に引き続き第二弾の開催であった。
・    会場は岩室温泉にある“いわむろや”の特設会場である。期間は10/29(土)~11/20(日)の3週間であった。

・    先生の絵のテーマは日常を題材とされたものが多く、様々なジャンルでご活躍された。中学校の教員生活を続けながら絵を描かれておいでであった。
・    私自身は先生の描かれた“はさぎ”の絵が大好きで、その絵の前では不思議と落ち着くのである。
・    光陽展でのご活躍は目覚ましく支部長の重職におられ会の運営にも力を注いでおられた。平成二年(1990年)には文部大臣賞奨励賞を受賞されており、その時の作品ははさぎをテーマとしたものでありタイトルは「冴ゆる」であった。厳冬の月夜に描かれたはさぎ達は圧巻である。
・    先生は娘さんをモデルに沢山の秀作を残されている。そのうちの一枚は我が家にも飾ってある。先生が下さった絵はとても温かく先生の人柄が伝わってくる作品である。


・    そんな先生のアトリエを造らせて頂いたのが今から23年前の話である。
・    出会いはこうだ!片野先生のご親戚でもあるT様邸は25年程前に私どもでお手伝いさせて頂いた巣舞であった。
長岡市内で完成した巣舞である。片野先生ご夫妻は新潟市真砂にお住まいであった。ある時、御用で長岡のご親戚のT様邸においでになられた。そして、その巣舞づくりを見て偉く感動されて心に留められたのである。
・    私どもの会社においでになられたのは、それから数か月後であったとお聞きした。
・    T様邸を見られてから自分たちの巣舞を造ろうと思い立って相談掛けられたのが親戚の大工さんであったという。
しかし、中々思うように設計が進まず、T様邸の設計が弊社であることが判明してその後に弊社を訪ねておいでになられたのである。
・    当時は弊社も新潟営業所はなく、長岡からでも建築お願いできるか?との心配事を直球で投げてこられた。勿論、ご指名であれば喜んでお伺いします。と言うことで設計が始まった。設計は敷地に対して庭と車庫が固定されており自由には出来なかった中での解決であった。大きなテーマはアトリエスペースと日常生活をどの様に配置ゾーニングするかにあった。
・    玄関土間と上がり框の区画のデザインがキーワードとなったのである。アトリエでほとんど過ごすので奥様のスペースと共存することも大切なテーマになったことを想い出す。奥様の趣味室を中二階に取り先生のアトリエ部分が包み込むようにしたのである。コンセプトは包み込む!ネーミングが“包のいえ”そのものであった。
・    設計図が出来てもいざ建設するとなると新潟市内では職人の手蔓がなく手配が出来なかった。そこで、各職業者さんは長岡からご同行願って仕事を進めたのである。そして完成無事にお引き渡しとなったのである。見学会も開催させて頂き徐々にタカダファンを増やしていくためのご支援を頂いたのであった。
               
細長い上がり框の右がアトリエ! アトリエは中二階の奥様の部屋を包み込む! 片野先生のアトリエ!

・    完成後から15年近くが先生の仕事場となったアトリエで楽しまれる片野画伯の仕事が偲ばれる。片野先生が永眠されてこの12月で5年になる。先生の作品は力強く見る人々の心をとらえる。何時もユーモアを絶やさず先生の優しさが滲み出てくるのであるから観る者にも温かいぬくもりを届けてくれることになる。
・    何と片野さまのおかげで新潟市内の仕事が徐々にではあるが増えてきたのである。そして平成4年(1992年)
に新潟営業所を開設する運びになったのである。来年度はそれから丁度20周年になる。成人である。
・    20年前の開所式にはご夫妻でおいでくださりご祝辞を賜ったのである。
・    20周年を記念して弊社でも片野四郎展を開催できないかとお電話で奥様とお話しさせていただいているところでもある。その時は乞うご期待を!
・    また、片野先生からは弊社の開催しているライブトークフォーラムの第2回目を担当して頂いた。当時の会場はタカモクのプレカット工場の二階であった。タイトルは「なぜ絵を描くか?」と哲学掛かった演題であった。内容はユーモアたっぷりで大変楽しいお話であった
・    本当にありがとうございました。・・・・・・・


第二回目のライブトークフォーラム・タカダは熱気ムンムンで開催された!ライブトークの歴史も38回を数えるに至る!

 

包の家(K様) 月刊ニューハウス(1990年1月号に掲載済)
旧HPより(このページをご覧いただくにはフレーム対応のブラウザが必要です。)

*ニューハウスに掲載された時のコメント!

和室や畳スペースでの生活を大切にした住まいづくりを。
画家であるご主人のアトリエを設けることと、夏涼しく冬暖かい断熱住宅にする、というのが主な希望とのこと。
アトリエは吹抜けとして、奥様の書斎である2階の主婦室を、ガラスごしに、さりげなく包み込んでいるのが楽しいアイディアです。
断熱に関しては、イソシアヌレートボード(グラスウールの約2.5倍の断熱性能)を外張り高気密施工し、さらに構造体内に空気を循環させて木材の呼吸を促して結露を防止する方法でクリアーしています。
住まいの雰囲気づくりには、外部、内部ともに高さ関係をうまくデザインしています。憩や安らぎの空間は低く抑え、アトリエや玄関ホールは軽く興奮するように吹抜けとして、空間に強弱をつけているのがよいと思います。
住まいづくりに、できるだけ木や土などの自然な素材を使っているのも見逃せません。
また、平面計画での空間のつながりにも特徴があります。各部屋を無造作に仕切らずに、家族や夫婦、子供どうし、室内と屋外のつながりを得るために、間仕切りや動線の工夫、緩衝帯としてのピアノ室や和室、濡縁などの配置やワンルーム化など、随所に見らることができます。
暮らし方は、全体に畳での坐式スタイルで、圧巻は囲炉裏でしょう。応接や団らんとこれを中心に人が集まります。

建主Kさんの話
建て替えですが、古い家屋は暗く、寒く、使いづらくて困りましたので、何とかそれらをすべて解消してくれる業者を探すのが大変でした。地元の工務店にも図面を出してもらいましたが、古い家づくりそのままで満足できるものではありませんでしたので、いろいろな所へ出かけたり、雑誌を購入したりして勉強して見つけたのが長岡の高田建築事務所でした。隣の市ですが、近くの業者の納得のいかない図面に妥協しなくて良かったと思います。

投稿者:高田 |

「100年の風」は「木」の上で舞った「鉄」 
本年度:2011年度の日本建築学会の大会は8月23日~25日の三日間で開催された。
大隈記念講堂での開会式を皮切りに早稲田大学早稲田キャンパスを所狭しと学術講演会・建築デザイン発表会・研究協議会・研究懇談会・パネルディスカッションが開催された。
発表作品は8000アイテムにも及ぶと言うから気が遠くなる話でもある。
私たちの参加したジャンルは建築デザイン部門である。この部門は13のセクションから成り立っていた。
① 協働の建築・まちづくり
② 建築VSものづくり
③ 空間と環境の統合デザイン
④ 建築の再生あるいは再利用のための改修(民家・まち・リフォーム・コンバージョン・デザインの保全と耐震改修)
⑤ 空間概念
⑥ 構造デザイン
⑦ 病院・福祉
⑧ オフィス・工場
⑨ 教育
⑩ 都市再生
⑪ 公共空間
⑫ コミュニティー空間
⑬ 住宅
以上の13セクションである。
そして私たちが発表した“「百年の風」をデザインする:ステンレスによるテンセグリック・タワーの制作と施工”は②の「建築VSものづくり」のセクションであった。
このセクションでは全20作品が発表された。
「100年の風」は2010年に新潟県立長岡商業高等学校の100周年を記念しての記念モニュメントの依頼が同校同窓生である秋山孝多摩美術大学教授に来たことから始まったプロジェクトであった。
士魂と商才の大切さを知った長岡産業人たちが必要に迫られて作り上げた長岡商業高校は長岡市立で出発開校した。まさに商業高校は士魂と商才で育まれてきた学校を秋山孝氏は100年の風で表現しようとしたものであった。
特にこの分野はアーキニアリングの造語で表せるようにアーキテクチャーとエンジニアリングをハイブリッドさせたものであり、意匠と構造の分け隔てをなくしているのである。
発表者に与えられた発表時間は4分+質疑3分の合計7分であった。
発表者にとっては、こんにちは・・・さようなら!と言うくらいの瞬間芸でもあった。
発表者は大変エネルギーをかけてつくってきた作品である。20作品の誰もが沢山お話したい。とてもとてもこの時間では伝えることが簡単には出来ない。
13:30~16:19の予定が一時間延びて終了時間は17:30くらいになった。
このセクションの講評者は早稲田大学 理工学術院 特任教授の新谷眞人先生であった。
先生は構造デザイナーとして卓越された方である。この時に出会えたことは私にとってはとても嬉しいことでもあった。
と言うのも7月初旬にお邪魔した「まちとしょテラソ」はとても素晴らしい建築作品であった。この作品は長野県小布施町に建築されており、建築家:古谷誠章先生と構造デザイナー:新谷眞人先生のコラボレーションであったからでもある。
発表が終わるごとに鋭く講評される新谷先生の言葉に発表者は時にしどろもどろの姿も垣間見られて大変いい勉強になった。
「100年の風」のコンセプトに対する切込みも長岡と言う歴史ある土地を良くご存じの上での質問であるから頭が下がる。質疑には秋山先生の快答が返されて、こちらも小気味よかった。そして、構造的な質疑に対しては日本建築学会前会長の斎藤先生がお答えになられた。完璧な返答であった。
発表後は肩の荷を下ろして他者の発表を聞くことが出来た。大変勉強になった。特に滋賀県立大学の陶器浩一教授の取り組んでおられた“みんなでつくる、竹を用いた「しなやかなストラクチャー」”には大変魅せられた。
折しも建築学会に出かける新幹線で長岡造形大学教授の山下先生に出会った。先生は建築資材としての竹に取り組んでいく研究の為に出かける途中だと言う。
竹のことが重なったので尚のこと気になったのかもしれないが。固い構造資材ではなく、しなやかなストラクチャーは今後とも目を離せないものとなっていくことを確信した一人である。
大学の先輩である今川憲英先生のCO2を削減するエコ・ストラクチャデザインも大変興味をそそる発表であった。
釘づけにされた4時間があっという間に過ぎてしまった。
数年前からこの部門では優秀な作品を1~2点選んで表彰することになっていると言うことが会の開催時に発表されていた。それ故に最後まで残る様に!と言う促しでもあった。
20セクションの発表が終わって招待講評者であられる新谷眞人先生から、講評があった。そして、優秀作品の発表であった。なんと、「100年の風」が最初に選ばれた。もう一点は日建設計の原田さんが発表された、「機能美と構造美を追求した台形柱梁ラーメン架構の設計」であった。
“100年の風”は正に檜舞台で舞った風になったのである。ヒノキの「木」の上でステンレスの「鉄」が舞ったのであるから。
多くの皆様の御協力で陽の目を見たことになる。ありがたい・感動の建築学会であった。

様々な舞台・ステージがある。檜舞台はまさに その舞台。日本建築学会の舞台にテンスグリックタワーが踊った。

*以下は発表された原稿を転写!

    
発表会場は早稲田大学15号館02教室  質問に答える秋山・斎藤両先生  秋山先生と原田さん(日建設計)が受賞
  
どーです。やりましたよ!皆様のおかげです。ありがとうございます。 
                    
清之介君(右)にとっては久々の母校早大:大隈記念講堂前で!                付録で私もおめでとう! 

 

投稿者:高田 |

弊社は三笑主義を目指している会社である。三笑=サンショウと読む。
三笑主義と言う言葉は、弊社と愉快な仲間たち以外には馴染がないと思うので説明させて頂くと。
建築・巣舞(すまい)づくりをするときには第一次当事者としては①建築主様と②職人衆と③弊社スタッフの3者がいるということが前提である。
この三者が喜び・楽しみ・感動を共有することが出来たときに初めて建築行為・巣舞づくりが成功したということになる。「お客様は神様です!」というフレーズは昔から多用されている。一面真実を言い当てているが全部ではない。
確かに、建築主様からは三者の中で一番に喜びと感動を大きくしてもらいたいのであるが、建築主様だけが喜べば良いというものでは決してない。(はずである。)
何故か?依頼者と設計者と製作者の三者が一緒になって知恵を出し、汗を出すところに初めて創造の女神がほほ笑むからである。
反対にすべてがかみ合わなく三者が涙を出すことを「三涙関係」という。決してこうであってはならないことである。あるいは三者の内の一人だけが笑って二人が泣いているとするこれは「一笑二涙」・・準じて「二笑一涙」では作る側も住む側も決していい関係とは言えない。
建築行為のスタートは依頼者の存在があって初めて可能である。建築主様のNEEDSを確りと把握して、その思いを形化するのであるから弊社スタッフも依頼者の要望に応えられるように確りと知識もアイディアも即発動できるようにしておかなくてはならない。
目に見えない思いを形にしていく創造の喜びは建築を職業としているものたちの冥利でもある。すぐにでも出てこない知恵とアイディアが、ある時をきっかけにカチッとキーが開くのである。この時の快感を表すのには、多くの時間と言葉が必要であるのでここでは省略する。
そしてそのアィデアを具体的に職人の手を借りて作り上げていくのである。作り上げていく職人も感動の共有をすることで、建築依頼者様に品質をお届けすることが出来る。
つまり、三者が感動を共感することが出来るステージが一番大切でもある。
完成した巣舞をお引き渡した後に届くアンケートはとても刺激的である。学校であれば通信簿でもあるからだ。通信簿は成果評である。やってきたことに対する評価である。
設計コンペに参加して結果を一時も早く知りたいと思うのは人情である。更に結果だけでなく、評価を頂けると次への肥やしになり励みになること間違いない。
先日届いたアンケートは今年の春から長岡市陽光台にお住まいになられた吉田米四郎様ご夫妻からであった。私にとってとても嬉しく・感動した通信簿だったので、吉田さまからご許可を頂いてそのままブログに載せさせて頂くことにした。
ご許可を頂く電話をした時にも、「住めば住むほどいい家だ。私より女房の方が毎日新しい発見をして報告をくれるから、余計にうれしい!」とのことであった。
「打ち合わせ中に言われたことが、住んでみて初めて確認できることが沢山あるから感謝しています!」
なんと!What!・・How!・・・である。
又、春の陽光台は環境としても抜群である!とのこと。吉田さまは定年退職されて三条から長岡市に引っ越してこられたご家族でもある。吉田さんと私の共通の知人である本間さんを通しての出会いでもあった。

      
長岡市陽光台に竣工した吉田様邸  たっぷりと入り込む太陽光でリビングもダイニングもさわやかである!


*吉田様お手紙ありがとうございました。これを励みに又、進みたいと思います。

  

 
*パウロ・クレー先生もびっくりする「田んぼの水面に写る春の景色との協演」!

  

投稿者:高田 |
2011.01.06

ドイツ紀行

ベスト5 『ものとこと』     正月なので想いでの夢を再現   6年前のドイツ紀行20041015「ライト会にて」

まずドイツについて私の感想を少々加えさせていただくと。
私にとってのドイツは何時もヨーロッパ旅行の時の中継地点:25年(6年前時点で、以後同じ)程も前になるが宮脇檀さんがコーディネートしたヨーロッパ七カ国訪問研修旅行(デンマーク・フィンランド・イギリス・フランス・スイス・イタリア・ギリシャ)で初めての海外旅行を経験させていただいた時、ヨーロッパ初めての地がドイツのハンブルク空港であった。但し、空港でトランジット地であった。空港トイレに入ってチップを取られた経験がはじめてのドイツでもあった。このことは今でも強烈な印象を私の中に残している。『トイレを使うとチップが必要なんだ。』とえらく関心。
それからスペイン一回・フランスに二回の合計三回ともフランクフルトは中継地点であった。そして今回初めてのドイツ。中継地点であるフランクフルトは何時も通り過ぎているのにはもったいない魅力ある都市であった。今度行く時は必ずフランクフルトに一泊はしたいものである。
ドイツの土地の風景(なだらかな丘陵地が広がる。綺麗に整備された農耕地):建物(歴史ある建築と近代建築の協奏)・街路・街・川(ライン川・マイン川・ドナウ川)それらに掛かる橋・広場・そして人々。
飛行機から見た民家の屋根は赤茶褐色でありドイツの住宅は勾配屋根はデザインを統一している。雪止めアングルがとてもファニーな形で屋根端についているのが気になった。
ドイツの国民性にはとても馴染めるものがある。一言で治安が良い事がそのことを示している。タクシーに忘れたデジカメを追いかけて届ける運転手やシャープペンを落としたのを拾って追いかけてくる売店の女性にドイツ人気質の確かさを見ることが出来た。

私のベスト5:建築
いずれも感動は予期していなかった建物との出会いにあったということであるが、これは裏を返せば行き先の準備勉強をほとんどしていなかっただけにしか過ぎないといわれてしまえばそれまでのことでもある。

①    ワイセンホーフジードルンクは今年喜寿をむかえた。
1920年代はピカソ・ブラック・レジェの様な近代画家達によって新しい時代を予見させるものがあった。この時期にミース・ファンデルローエはドイツ工作連名の副会長に任命された。ワルターグロピウスがパウルクレー・カンディンスキー・モホリ・ナギーの様な前衛派とバウハウスの基礎を確立した時期でもある。
1927年に工作連名はミースファンデル・ローエにワイセンホーフ集団住宅地建設を依頼した。他国の若い建築家達が集まった。アウト(蘭)、ル・コルビュジェ(仏)、ベーレンス(独)、グロピウス、タウト、シャロウンなどなどが腕を競った。あれから今年で77年・喜寿である。
私の知っているワイセンホーフジードルンクはS.Giedionによって書かれた『空間・時間・建築』の中でしか記憶のないものであるが、旅行の最終日に本物が直ぐそばにあると聞いてびっくりしてタクシーをとばした。
住宅地の中心部に建設されたミース集合住宅はその当時のボリュウームをそのまま残し、アウトの5軒長屋の集合住宅も健在であった。ピロッティーの採用で当時話題を振りまいたコルビュジェの建物が改修中であった。少し歩きながらその土地の持つ記憶の空気に触れる事にした。時間の不思議と意図しなくそこに居ることの不思議と今回の恵まれた研修旅行の余韻を楽しむ時間を得たのはとても幸せであった。

  
 配置案内図                アウト作                  コルビュジェ作は改修中

②    チャードマイヤーの作品二題:フランクフルト実用工芸博物館とウルムの大聖堂前の市立文化センター(Stadthaus)
元々リチャードマイヤーの作品は建築雑誌A&Uでしか見た事が無かった。しかし、何時も魅力的な作品には目を奪われていた事も事実であった。精巧なグリッドで壁と壁面ボイドを演出しながら平面や立面に微妙な曲線をポイント的に取り入れてヒューマンスケールの建築をつくる事においてはまさに空間づくりのマジシャンと呼んでも良い建築家であるからだ。白一色に統一した室内外空間は洗練されモダーンでありながらも古い建物群と立ち並んでも違和感を発せず、むしろとてもフィットしてしまうのである。建ち並んでいるロケーションにもかかわらず、伝統的な建築を眺めている時にはその建築は私の目から消え去り、マイヤーの作品を見つめ直すと俄然と目に飛び込んでくるというそんな不思議に出会った。ブロックプラン配置には敷地のデザイナーとしても評価大!いずれにせよ、私にとっては憧れの建築家の一人だっただけに突然の出会いは感動そのものであった。

  
フランクフルト実用工芸博物館
 
ウルムの市立文化センター(Stadthaus) 

                                    

③    ジェームズ・スターリン
スターリンの建築は雑誌で見ていた限りではあまり私の好みのものではなかった。その理由としてかなりのダイナミックさだけが前面に出て来て大味さのみが印象に残っていたからであった。使われていた色使いもむしろ私にとっては敬遠するものでもあった。
しかし、しかしである。シュトッツガルト美術館はそれを目にした時に私の今までの感覚が大間違いであった事を強烈にアッピールしたのである。それはいつでも言われる事であるが、その建築が建つロケーションと如何にマッチングしているか?つまり建築立地環境が生み出す力といっていいかも知れない。建築は環境産物でもあるからである事を今更ながら強く確認したのである。
そしてもう一つはテクスチャーである。建築資材の持つ質感である。石積み風のどっしりとした表情は建築雑誌から読み取るにはとても未熟だった事・あらためて経験できた。

  

④    ヘルツォーク
とても恥ずかしい事であるが、ゴッツ美術館の構造を全く誤解していた事である。バスの中でも間違った情報を流してしまい申し訳なかった。RCとばかり思っておったら地上部分が木造で作られていたのである。
このデザインで特筆すべきは地上から直ガラス張りで立ち上がり、途中で壁部分を構成しており、屋根から空へは再びガラス張りである。このことは元々建築が重量物であることを一気に払拭してくれるからである。軽快感そのもののデザインは小建築空間だけに余計に可憐さを醸し出してくれている。インティメットである。
ヘルツォークの作品に対する今までの私のイメージが変わった作品でもある。初期の作品と聞いて…青山のプラダを並べてみた。

  

⑤    R-128(ゾーベック氏のご自宅)
マリオボッタの作品との比較…・マリオボッタの作品1971年“リヴァ・サン・ヴィターレ”(スイス・ルガーノ湖畔)に非常に似ている。マリオボッタは学生時代に最も気になる建築家の一人であった。特にこのリヴァ・サン・ビィターレを避けてはボッタを語れないほどの代表作である。平面をトレースしたことを記憶している。今あらためて比較する事をしておきたい。……………眼下に広がるロケーションからアプローチの仕方・正方形のプラン・最上階にエントランスを設け、下階に4層になるつくり。更に夫々の階が吹き抜けにてつながる。その差異をリストアップことにする。
建物スケールから・ロケーション・最上階からのブリッジアプローチの仕方・などなどとても共通点はある。両者とも魅力ある建築作品である。しかし徹底的に違うのはファサード質感そのものである。片や外部からは視覚的に遮断形式を取り内外吹き抜けとテラス空間で内部空間と外部空間を相互貫入させている。そしてもう一方のR-128は全面ガラス張りで内外部空間を一体化させている。
その両者にはこれからの住宅建築の流れの方向を示唆してくれるもの大である。

 
ブリッジが貫通する外観    アクセスブリッジが4Fに横付けされる

投稿者:高田 |

公民〔市民〕館竣工式に参加して
公民と市民:公民館から市民館へ!

新潟県中越地方は二度の大震災に見舞われた。2004年の中越地震と2007年の中越沖地震である。いずれもM6.8であり、震度は6~7であった。
中越地震は被害総額3兆円と言う激甚災害に指定された。その被害は甚大であり復興するには公的資金が投入された。
中越沖地震も被災者に国と県が支援金を給付する被災者生活再建支援制度の申請が8月15日に締め切られ、ほぼ99%が手当されたとの報告がなされた。
復興支援とは別に日常時から耐震補強に対する機運も高まっている。“木の家”耐震改修推進会議(呼びかけ人:養老猛司氏・天野礼子氏・小池一三氏他)は9月1日に東京フォーラムで開催された。
報告書の冒頭で「阪神淡路大震災における死亡者の92%は、地震直後の14分間に起きた圧死・窒息死等によるものだった。この事実は、地震への根本対策が先ず何をおいても住宅の耐震化にあることを教えている。」と書かれていた。
このような推進委員会の働きと相乗して国土交通省は、来年度の予算で、耐震改修に対する地方公共団体の負担を前提としない国単独の補助制度の要求を通したとメールが入った。
話は戻すが、中越地震では住宅復興支援とは別に「地域コミュニティ施設再建支援」が設けられた。事業費の3/4まで支給されるものである。この支援策の援助を頂いて多くの公民館が改修・改築された。こちらも平成22年8月末日を持って締め切られた。
藤沢町公民館はそんな最終期限を目前に建て替え工事が完了した。一年前からこの機をチャンスと捉え、建て替えしようという機運が高まってきた。
建設委員会が立ち上がり出発した。最初は設計図の確定からである。設計コンペが行われ、幸いにも、三社の中から弊社がチャンピオンになることができた。次には施工業者の選定・着工となった。工期4ヶ月ちょっとで完成することが出来た。
20100904には竣工式典が開催された。町民は60余名が出席しての挙行である。

2010藤沢町公民館竣工式 にてご挨拶                                                                   20100904
                                                                          〔株〕高田建築設計事務所
                                                                           代表取締役 高田清太郎
この度は藤沢町様の公民館建築のご竣工式典誠におめでとうございます。只今は身にあまるご挨拶と感謝状等を頂きましたこと誠に感謝申し上げます。
一言御礼の言葉を述べさせていただきたいと思います。
(ご町内の中には弊社のほうが直接お世話になっておられる方も多く、この席をお借りして御礼申し上げます。)
本日を迎えるまでには、その町のリーダーがとても大難儀をしなければならない場合が多々です。聞き及びますれば、その点、結束力が強くスムーズだったと聞きました。町内会長兼建設委員長のK様、建設副委員会長のE様はじめ建設委員会関係各位には大変お疲れ様でした。
私共で設計のお手伝いをさせていただくチャンスが与えられたこと感謝申し上げます。

プレッシャーと充分面倒:建設委員会の方からお話いただいている時、取分けE様のほうから「面倒なことは言わない!近隣・隣町でも沢山の公民館建築がされているから他に負けないように頑張ってくれ!」・・これってプレッシャー?とても簡単ではないことです。「注文は品質良くリーズナブルに!デザイン性を出してくれさえすればいい!それだけでいい」???
これって、細かく言われるよりもとても面倒なことなのです。しかし、設計屋にとっては遣り甲斐が出てまいります。建設委員の皆様は人の動かし方をとてもよ~くご存知な事です。
エンゲル係数:社会の豊かさは様々な尺度で測られます。一昔前の話ですが、その一つの尺度に、エンゲル係数と言うのがあって全支出の食費に対する比率でその家族の豊かさを計りました。(当然エンゲル係数が高ければ生活レベルが低いと言うことになります。)
民のかまど:その又むかしの昔、仁徳天皇は奈良の都にどの位の煙が立っているか眺めて民の生活の豊かさの尺度にしたと言い伝えられています。
「高き屋に のぼりて見れば 煙立つ 民のかまどは にぎはひにけり」 仁徳天皇が、高殿にのぼって国の中を見渡してみると炊事をする煙が見えなかった。「これは人民が貧しくして炊くものがないのではないか。これから三年は年貢を免税してやって、国民の暮らしを楽にしてやろう。」
三年ばかり経ち、外の様子を見てみると、かまどから炊事の煙が立つようになっていた。というものです。

町内の豊かさの尺度:現代ではどれだけ公共整備がされているかが豊かさの一つの尺度とされています。公民館を建てるというのはその町の豊かさと結束力の尺度とされています。地震被災後の補助金のつく期限に間に合ったとてもラッキーな決断でした。
各個人の巣舞いは良くなったが公民館を見たりするとがっかりする町があったと思ったら、反対に公民館だけがよくって町が寂れていてもいけない。バランスが大切である。
建築とは、紀元前のローマの建築史家ヴィトリヴィウス曰く。「建築は:強・用・美の総合芸術である」と!
ローマ時代は建築と言えば神殿・宮殿・競技場・公衆浴場と時の皇帝が記念に建造したものでした。美しくなければならない。強くなければならない。機能を完備しなければならない。
公民館もそうだと思うのです。
美:外観は隣の神社との連携を試み鳥居の上にお月さんが出ているような象徴デザインを施している。室内空間も気持ちよさを伴ったデザイン性を追及したものである。
用:2Fの大広間は総会等の大集会に!1Fの小間は集会人数に応じて必要な広さに繋がる様に。キッチンではアイランド式で多数が同時に作業できる様に!町内会長さんからは自分が教える!男の料理教室も開催できるように!その他様々な町内行事の用に答えられるようにされています。
強:正に非常時の避難場所となるように!避難場所は安全であるように構造は確りと設計されています。二階集会室は梁構造をそのまま見せることで安心感も醸し出すデザインにしている。
これから長い間、この公民館が町内の皆様からご愛顧頂ける事を衷心より祈念申し上げます。

・今年の夏は気象庁始まって以来の記録づくめであると報道がされています。〔統計開始以来113年で最高:平年より1.64度高い〕
茹だるような暑さで熱中症が例年の8倍とも10倍とも言われ、何でこんなに暑いのか?考えました。偏西風の蛇行で?太平洋高気圧の勢力が衰えない?CO2が多くなった?も確かであるが、それだけで無く、サーモグラフィーを宇宙船から見ると藤沢町公民館・町内が燃えていたとか!
益々、公民館が市民間として利用されること・ご町内益々のいや栄えをご祈念申し上げまして、感謝の言葉と変えさせていただきたいと思います。
本日は有難うございました。
P.S
摂田屋5丁目市民館広場では9月5日防災訓練が行われた。
集まるところが集会場・そしてそこが市民館である。

                
防災訓練では班毎に整列して非難する摂田屋5丁目町民たち。会長の挨拶で集合報告がなされる。250名が集まる。

             
早速、非常時に準備されるトン汁と同じ振る舞いがされる。テントの下で美味しく頂く。

   
藤沢公民館は鳥居の上にはまん丸お月さんが             吹抜けのエントランス    階段は幅広く

   
キッチンでは男の料理教室が開催予定!二階集会室天上には大梁がそのまま表出している。 

   

投稿者:高田 |

ニックネームはプチリプチ
サポートセンター摂田屋〔せったや〕の内覧会のご案内が届いた。
開催は6月25日〔金〕~27日〔日〕の三日間である。                       内覧会への詳しい情報
昨年末から着工していたサポートセンター摂田屋(弊社で設計からお手伝いさせて頂いていた物件)がいよいよ外構(植栽・造園含む)を残して完成である。工程通りに5月31日を持って引渡しが終了した。
今冬は大変な雪に見舞われ現場は雪降ろしや雪かきで大騒動であった。内示が通年とは異なって雪の降る時期にまで遅くなってしまったからである。工程にも大変支障をきたしたのであるが、挽回を図り無事に完成することが出来た。職人さん各位には大感謝である。本当に有難うございました。
建設地は弊社の手がけている長岡市摂田屋5丁目の間知(まち)づくり:リプチの森の分譲地の一角である。
全48区画の分譲地の内の9区画〔約600坪〕を使っての計画である。
元々住宅地内での計画であるから、施設・施設した箱型でドーンとした形で計画することは絶対に避けたいことでもあった。
むしろ町並みに溶け込むためには小さな住宅が一戸一戸肩を並べて佇まう形の方が極々自然でもあった。
計画依頼を施設側から受けた当初はネーミングは未定であったので、弊社側から勝手にコンセプトに添うニックネームをつけさせていただいた。
「プチリプチ」である。リプチの森のリプチの前にもう一度プチを加えて、かわいらしくネーミングしてみたのである。名は体を表す!このネーミングで箱型は無くなった。
事業主体は高齢者総合ケアセンターこぶし園さまであり、開催初日の25日〔金〕18:30~19:30の時間に弊社の
“第37回ライブトークフォーラム”として園長の小山先生からお話いただけることになった。
タイトルは「地域で暮らす新たな仕組み」である。介護の仕組みもどんどん変わり「施設型から住宅型へ!」大きくシフトしているのである。そんな大きな変更舵取りを小山園長が始められ全国に発信されている。正に時機を得た話題である。
是非ともお出かけください。又、リプチの森の夜景も楽しむことが出来、地域で支える正に介護の生版ステージをご覧ください。

サポートセンター摂田屋さまのサービスメニューは
1. 地域密着型小規模老人福祉施設「サテライト型特別養護老人ホーム摂田屋〔定員20名〕
要介護認定を受けられた方で、自宅での介護が困難な摂田屋近辺の方が、住み替えることによって地域での生活を継続することが出来るためのサービス。〔最初の20名は、こぶし園さまからの移動。〕平面図では東西の両ウィングに位置しており、両ウィング毎にも玄関が配置され、空港のハブの様に接続された各々10軒は共用リビングでつながるようにもなっている。各戸は住宅であるから夫々に玄関機能を持ちあわせることも極々普通の感覚である。
2.   小規模多機能型居宅介護摂田屋〔登録人数25名・通い15名・泊まり6名〕
「通い」・「泊まり」・「訪問」を組み立てたサービスであり、全てのサービスを固定スタッフが提供させていただくことになっているので、顔なじみの安心したサービスが受けられることに成っている。料金についても一ヶ月定額であり、必要なサービスを必要な時にしっかりと利用することが出来る。地域交流施設とつながって居り必要に応じて広さも確保される。
3.    カフェテラス〔地域交流施設〕
高齢者の皆様を中心に、地域内の皆様が気軽に集うスペースとして設定しましたので活用して頂くことが出来る。
4.    キッズルーム(地域交流施設)
共働き世帯が増加している中で、就学後の児童の遊び場として開放するスペースで、カフェテリアを利用する地域の皆様やサポートセンターを利用される高齢者の皆様との世代間交流のスペースとして活用される。
・・・・・正に地域と密着を求めてきたシステムである。介護者と被介護者の垣根を取り除けた仕組みづくりである。
老人と豊人
老人問題研究〔医療と福祉総合研究会に2002年Vol.21に記載させていただいた投稿文をお読み頂けるとありがたいです〕

         
    2002年11月投稿       福祉施設設計実績例

          
 東ウィング棟群からエントランスを眺む お引渡式で挨拶される小山園長様           エントランスホールのロビー
    
10戸の共用リビング〔東西ウィング共)      受付カウンター・カフェテラス          地域交流スペース

    
     東ウィングを眺む             屋上は路地裏町屋のように!

投稿者:高田 |

嬉しい手紙:スタートサービスアンケートが届く!笑顧創造・感動創造!

200文字以内に自社をアッピールしてください!とか、何分以内に自己アッピール・自己紹介してください!と言う場面に私達は多々出会います。それが、簡単のようで中々難しいことも私達は経験します。
自分の目で見た表現よりも、時には他者の目を借りて観たことを表現していただいたほうがより正確の場合があります。
それどころか、反対に“PR自体は自分でするものではない”と厳しく一蹴されることもあります。
その様な訳で、アフターサービス〔建設者側からの視点〕ならぬスタート・サービス〔すまう方・入居者側の視点〕アンケートは正に建築主さまから見た当社を表現しています。
今年の3月に竣工したネーミング:G-Cube(アパート建築)のお話です。建築主様のK様奥様から返送されたアンケートにお手紙が同封されていました。〔そのまま転記させて頂くことのご許可も頂く〕
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アンケート用紙に書ききれない感謝の思いがあるので、手紙につづらせてください。お付き合いする前のイメージは「実力が高い」「その分とても高価なはず」「洗練されていて庶民がお付き合いさせていただける所ではない」と言うものでした。
しばらく建築計画は頓挫していたのですが、夫に誘われ2009年夏の〔高田建築事務所〕パネル展に出かけました。そこでとても丁寧なご説明を受けました。散歩の折に良く見ていた関屋地区の「かっこういい」アパートが高田さんの作品だとパネル展で知り、気持ちが高まりました。
実は、自宅を建ててもらった会社は全く候補に入れていませんでした。自宅は今も快適に暮らしており大満足なのですが、その会社にはデザイン力がありません。私どもは自宅に関する希望や好み・こだわりが明快な人間でしたから、逆に会社側からの主張が無く私達の希望通りに作ってもらえたという点で優れていました。
台所機器やトイレ設備なども全て私がショールームを歩きまわり決め、それを嫌がらずに入れてくれました。工務店らしい無垢材の使い方にも満足しています。
しかし、アパートは私たち自身が住むのではないので、私達の好みではなく万人に愛される10年後もさびないデザインを提供してくれる実力あるデザイナー集団を探しておりました。パネル展を拝見したことは、その意味で大収穫でした。しかし、費用については不安が強く、慎重になっており、安さを売りにしているような他社も考え合わせていました。
「アパートなので採算性が大切」と言うコンセプトをよく理解してくださり、そのための利回りや入居者ターゲット年齢層が家賃として支出できる許容範囲、なども細かく調査してくださいました。そして、「採算がとれる総額を目指してコスト削減した」と言う言い方で見積もりをわずかな時間のうちに出してくださった時、その努力のプロセスに感動し、御社と契約させていただこうと決心できました。
その後は、全幅の信頼を寄せていました。不信感や不快感をいだいたことは一度もありませんでした。どんなに無礼な質問にも、明瞭な事実とともに回答していただけました。私は丁寧さを装うための曖昧さというものが嫌いなので、どんなに不利益な回答でも事実なら事実として確たる返事をしてくださる潔さが心地よかったです。
又、節目、節目で見せていただいた仕事の「作法」と言うものに感服いたしました。折り目正しい立ち居振る舞い、書類交換の丁寧さ・きめ細やかさ、情報開示の早さ・透明性、プロ意識の高さに裏打ちされた仕事の完成度、チームワークの確実さは卓越していると思います。
家族的なつながりで運営している工務店とは組織としての質がそもそも違うのだと痛感しました。
短い工期と少ない予算でのお仕事はきついものだったと存じます。予算をはるかに超える満足度です。
間口が狭くて線路っぷち、と言う欠点の大きな土地を素敵なものに変身させてくださいました。本当に有難うございました。又、夫:K.Gからも御礼申し上げます。目立たぬ存在に徹していましたが、G-CubeのGはもちろん夫の名前の頭文字です。
皆様の益々のご発展とご活躍を確信もし、お祈りしております。
これからも末永いお付き合いをお願い申し上げます。
2010.05.17 K.Y
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有り難いアンケートお手紙でした。読んでいる途中でも、読み終わってからも凄い感動バイブレーションを覚えた次第です。
弊社の今年の重点課題は「笑顧創造」(エコ創造と読みます)時に応じてお客様から笑って頂こうという全社・グループ目標です。:プランニング時に笑顔・契約時に笑顔・地鎮祭着工時に笑顔・工事中に笑顔・お引渡し時に笑顔・住んでみて更なる笑顔・顧客様の笑顔・感動を届け、顧客さまから感動笑顔を頂くことが目標です。
先月はI様奥様からもアンケートに感動手紙を添えて頂き、こちらが感動を頂いたばかりでした。(社内月曜朝礼で読ませていただきました)引き続き今月はK様からのお手紙でした。同じく月曜朝礼で読ませていただき、皆で感動を共有させていただいた次第です。
それに引き換え残念なこともありますが、弊社は誤解されているところが多々あると言う指摘も頂いております。
それを、昨年度、経営コンサルタントの加藤誠先生から「見えない壁」と言ったテーマでご指摘を受けたことがありました。
「見えない壁」は販売側と購入側のミスマッチしている間に介在する壁です。
その一つが価格。例えば、高田の建物は高い!と言われることが多々あります。言われた方に逆質問します。
Q:“どちらの建築での話でしょうか?又どの位の建築費と聞いていますか?”
A:どこそこと言うと言う話ではない。建築他社の営業マンが言っている。
Q:貴方から見たとき、具体的にどういうことでしょうか?
A:みんな、高田はいい家をつくっている。と言っているからさ。
・・・・分かりました。いい家をつくることが高いことなんです。それ以降、私は、高田は高いからと言われた時は、素直に「有難うございます」と言うことにしました。
安いつくりですねと言われるよりは、高い住まいを作りますねと言われた方が、建築主様も私共も大変嬉しいこと。絶対に言って欲しくないのは“安普請だね”:だけは避けたいところです。
価格に関してはそれ自身では存在せず、必ず実態があっての比較として存在します。
品質〔デザイン〕と価格の組合せは、正にその実例であります。
1.    品質が良くて高い。
2.    品質が良くて安い。
3.    品質が悪くて高い。
4.    品質が悪くて安い。
どれが一番いいか?2.が一番いいに決まっています。3.と4.だけは避けたいところです。
そこで品質が問題になります。
物に価値は置くけれどデザイン・アイディアは、ただ同然だと思っている方は意外に多いのにもびっくりします。又、反対に物さえ作ればそれで良いと言う方は少ないことも知っています。つくりあげていくプロセスはとても大切なエレメントだからです。
建築において品質は勿論であり、それだけではない、立ち居振る舞いが問われています。(弊社も大変注意しているところで、至らないことも多々ありますが、K様からのお手紙でとても嬉しくなりました。担当者初め、弊社のスタッフ全員に感謝申し上げたい次第です。)
K様からは「予算をはるかに超える満足度です!」とまで言ってくださったのには感服でした。正に②である。リーズナブルであったと言うことと受け止めて感謝のお電話をさせて頂きました。
価格あっての建築です。予算以上の建築は出来ないはずです。金額だけを最優先する建築もあるでしょうが、少しでも提案して良いものをお互いに確認しあうことも重大です。
今の時代を何に喩えたらいいか良くは分かりませんが、情報が多すぎてジャッジするのにも,ジャッジした後も不安が残る時代であることも事実です。
K様の手紙を追って読み返すと決断するには不安との闘いであることが良く分かります。私達自身も住宅産業は”不安解消産業“と言っても過言ではないからです。
しかし、掛けたエネルギーに比例して、感動の大きさも決まることを私達は知っています。
手を抜かない。手抜きという特殊技術を持たないこと。むしろ、指を銜えず手をくわえていくことです。
まだまだ指導では至りませんが、お互いに刺激し合い・切磋琢磨して良きものをつくり上げていければと再決意した次第で、K様からのお手紙に感謝です。巣舞いだけでなく、K様のようにアパート建築に当たっては、採算性を最優先させなければならない、しかし採算さえ合えば何でもいいというものでもありません。すれすれの境界線で葛藤をしていくK様には心から敬意を表したいと思います。


      G-Cube 外観                           G-Cube 内観

投稿者:takada |

県内で一番最初に張弦梁工法を採用したのは高田建築事務所である。(斎藤先生)
張弦梁工法は新潟県で一番最初は高田建築事務所。二番が長岡市防災センター

長岡市は新潟県中越地震の被災を教訓として防災性の向上を計り、長岡防災シビックコア地区の整備を進めている。
その内の、ながおか市民防災センターが完成・オープンした。
機能は三つから成り立っている:
1.    屋根付き広場機能(1F)
2.    子育て支援機能(1F:こそだてのえき:ぐんぐん)
3.    防災センター機能(2F)

屋根付き広場は、雨雪の日にも自由に遊べる無柱の大屋根空間を、多段式張弦梁構造を用いて実現している。直径24.8mの屋根は直径8mの中央リングと12本の放射状張弦梁にて接合されている。(圧縮力を受け持つ上弦材はH鋼であり、それなりにごつく見える。対する引張力を受け持たせているタイロッドテンション材の線材デザインは腕見せ所でもある)
積雪荷重は、250cmX3kg/㎡・cmX0,7=525kg/㎡で計画されている。
この度、斎藤公男日本大学理工学部名誉教授のお声がけで完成現場を見ることが出来た。

斎藤公男先生は構造家であるが、構造デザイナー・ストラクチャーデザイナーである。研究室は張弦張構造では日本の草分けであり、斎藤研究室から巣立った先輩後輩が全国で活躍している。その現場の一つが多段式張弦梁を採用した長岡防災センターである。

担当したのは松田平田設計の森田明さん(斎藤研究室1994年卒)である。同じく小野里匡章さん。新日鉄エンジニアリングの徐蕾さん・田端英樹さん・平林竜次さん。
新潟県長岡地域振興局の保科正晴参与〔1981年卒〕、長岡地域振興局からは更に2名参加。
我が社からもスタッフ約10名が参加した。

2~3人で集まる会かと思ったら、結構多くの皆さんからおいでいただき資料は少なく申訳無いと前置きがあり、長岡市建築住宅課の野瀬さんの計画の全容報告から話が始まった。
この様な機会は、長岡市内では中々なかったのでとても有意義でもあった。

大空間を得るためには様々な工法・構造があるが、張弦梁構造は私も好きなストラクチャーデザインのひとつである。

直接、防災とは関係なくても子育ての駅としてはピッタリの楽しむストラクチャースペースとしても期待できるものであった。

現場視察の終わり近くに斉藤先生から研究室OBに向って、「新潟県で一番、最初に張弦梁の構造を採用したのは高田建築事務所だよ。しかも自分の事務所だよ。みんな帰る前に是非とも見ていくように」と言う事で研究室の後輩が数名、忙しい中、来社してくださった。規模は大変小さいのであるが、斉藤先生のコメントではとても綺麗な構造デザインがされていると言ってくださった。上弦材は木材(米松集成材)である。親父の代から材木店・製材業を営んできたことと小規模であることから木材を使用する仕様になったのは極々自然であった。

「新潟県で一番、最初!」と言う響きがとても美しく感じた。竣工年は1994年(今から16年前)竣工である。研究室同期(1973年卒)の岡村金蔵君と取り組んだ作品であった。

モクードと命名された設計室は7間X7間(12,74m矩形無柱空間)であり、木造の張弦梁構造である。雪荷重は1.5mである。それでも、450kg/㎡の積雪荷重はやはり大きなファクターであった。
モクード=MOKU+WOOD〔木とウッド〕のハイブリッド造語である。

とかく建築は意匠デザインと構造は別々に認識されていたが、構造それ自体が持つ力の流れは意匠をはるかに超える、又は協奏するエネルギーを持っているからである。

折角の構造美を隠すのではなく、意匠として表すことを進めてきた全体を総称して弊社では「モクード」と呼んでいる。

「流れ」と言う言葉がやってきたのが研究室をどこにするか?悩んでいる大学3年次であった。建築をやめたいと思ったこともあり、その年の夏休みに北海道自転車旅行30日一人旅に出かけて、「心の流れ・空間の流れ・力の流れ」という、今までむだかっていたものがスーッと抜けるようなバイブレーションを感じたのであった。しかし、まだそれをまとめて上手く言葉で表現できないのも事実である。

弊社の85%は住宅建築である。しかし、部分的ではあるが、弊社のデザインには時々構造の持つダイナミックなストラクチャーデザインが小規模建築・住宅建築レベルにも採用されることが多々ある。その時に、あらためて斎藤研究室の出身であることを確認する者である。
「美しい空間の裏には、必ずと言って良いが美しい力の流れがある」と確信している。
斎藤公男先生初め関係者の皆様、この度はご案内頂き有難うございました。


長岡市防災センター外観(左)      多段式張弦梁のセンターリング       ちょっと角度を変えて


センターリングを真下から         参加者記念撮影


高田建築事務所内観モクード モクード木造張弦梁中央リング  美しい力の流れには美しいデザインが潜む

投稿者:高田 |

高田建築事務所 長岡築縁会 開催
交響曲は4楽章:築縁会は三楽章謝・安・学・紹(三楽章:未完成)

私達は様々な環境の中に生きる生命体である。環境と言えばとてつもなく広がりを見せていくのであるが、人と人との関係に絞り込むと“ご縁”で私達の社会は結ばれ、成り立っていることに気がつく。知縁・血縁・地縁はその最たるものである。
縁と言う言葉で思い出すのが「縁側」「土縁」なる言葉である。建築屋であるから当たり前と言えばそれまでであるが。縁側は座敷の外にある板敷きのスペースである。当然屋根が架かっており雨には当たらない廊下でもあり,部屋と部屋をつなぐ役割も持っている。そこが土になっているところが土間・土縁である。そこから外とつながる。雨でも当たれば「濡れ縁」と呼ばれる。
何れにせよ、縁とはつながりとかつなぐところとか言う意味も持つ。つまり中心部ではなく情報を送受信する先端的な部分でもあり、境界的な部分に位置することになる。そして、この部分の欠落を無縁とも言う。
ところで、巣舞(すまい)づくりを探し求める人々は、人生一大事の事業に取り組んでいる。そこでは大変なエネルギーが使われていることになる。弊社では、そんな建築主様との間ですまいづくりを通して作り上げられてきた関係・エネルギーを建築の完成と同時に終わるのではなく、築縁会に入ってもらってご縁を続けさせていただいている。
築縁会の会員には弊社から、その都度様々なご案内が届けられることにもなる。年二回(中越地震以降は、不規則になってはいるが)のライブトークフォーラム・タカダは築縁様から講演者になってもらい、同時に築縁様から聴衆者・受講者になってもらう会である。手作りの会である。
音楽の得意の人からは、楽器を演奏して頂いたり、歌って頂くのである。ドクターであれば「健康について」お話していただく。絵の先生からは「何故、絵を描くのか?」などと題しえてお話いただき、南極に越冬隊として参加された方、ODAでアフリカに参加された方、などなど楽しいお話は続く。趣味の世界で漫談・手品・落語をやってくださることもあり、築縁会のライブトークフォーラムは百花繚乱である。そして何よりも主催者側がまず楽しむ仕組みでもある。
繰り返しになるが、弊社で建築してくださった方々を築縁様とお呼びしており、大変なエネルギーを掛けて巣舞いづくりをされた方々とのご縁を大切に繋げていこうとするものである。
そんな築縁会のイベントの中に長岡・新潟で年一度開催される築縁会がある。2月(長岡本社)と7月(新潟営業所)である。2月は住まわれてからの生活の仕方を学びにいくのである。7月は子供達を交えて地引網を楽しむのである。
ここでは、2月の第一土日に行われた長岡での築縁会のご案内をさせて頂くこととする。
築縁会の第一日目:2月6日(土)朝、長岡市内は暴風雪である。先が見えないほど雪が舞っているかと思うと強風が雲を追いやり、時折青空を覗かせる。風が強ければ降雪量はそんなに多くは無い。今冬の新潟市は風が無く雪雲が追いやられなかったからとも言われている。“悪条件であればあるほど暖かなすまいを確認してくることが出来るから”とリーダーからの挨拶でいざ出陣であった。
築縁会は今年で12年目になる。中越地震の対応で明け暮れた年は、一年空白をつくったが会自体は11回目になる。干支で言うと丁度一回りの年である。
・・・・・・・・・・・・出陣前の私からの挨拶:
交響曲は4楽章:築縁会の四楽章は三楽章?:
謝・安・学・紹=しゃあんがくしょう=三楽章に響きませんか?(交響曲の三楽章はシューベルトの未完成)と連想言葉をつなげる。
謝:感謝の謝
世の中には地縁・血縁・知縁と様々なご縁がある。私達は、すまいづくりのお手伝いをさせていただいている時にお客様の一生の財産を預かるようなものである。その分思いもふくらみ、夢も大きくなる。その時に生まれたご縁は他のご縁のどんなものにも劣るものではない。そこで、建築の築を取って築縁というネーミングを付けさせていただきその会を築縁会と呼ぶことにした。
そして何よりも数多くの建築業者さんの中から弊社をご指名いただいたことに対して、再度感謝を新たにしてその気持ちをお届けする会である。
アフターサービスではなくスタートサービス:
巣舞づくりは、建築主様と協力業者様と弊社とが三位一体になって、一生懸命につくり上げていくのであるが、完成してお引渡しすると一般的にはその後の付き合いはアフターサービスと言う形になる。しかし、アフターサービスはあくまでも建築業者側の発想である。住まいづくりの主人公はあくまでも建築主様である。建築主さまの立場に立てばアフターでは無く生活がスタートと言うことになる、よって正確にはスタートサービスと呼ばなければならないことになる。そこで弊社ではこだわり、スタートサービスの会社ということにしている。
安:安心
さりとて、不具合がでたり、故障が生じたり、緊急性が生ずれば、即対応しなければならないのは当たり前の話でもある。
中には不具合が発生しても面倒がり、中々言うのを億劫がられる場合も多々である。そこで築縁会はいいチャンスになってくれる場合もあるという次第。
その後一生続くスタートサービスの中でも、第一弾が住まわれてから生活に慣れられるまでの5年間に渡って、一年に一回のご案内させていただいている。このことでよりイージーにメンテナンスを依頼される仕組みづくりである。
毎年2月第一土・日の長岡築縁会は、いつでもタカダはスタートサービスできる体制にあるという出発宣言式でもある。
学:学習
“学ぶ”は文字のごとく子供の様に学んできて欲しい。築縁会はそんなスタートサービスと連動するものである。繰り返すが、単にメンテナンス訪問ではなく、生活の仕方を学ぶ会である。私達が知っていることは本当に少ない。生活された方にしか分からない巣舞い方がある。訪問して実際に生活された方のご家族のすまい方を体験し教えてもらう会である。そして私達の設計能力・施工能力発揮アップを期待するものである。
紹:紹介
本当にお喜びになられたお客様から、何時と無く建築しようとされている方をご紹介くださるからありがたい。
ご紹介は4楽章である。紹介がいただけないと未完成(三楽章)である。
感動ある巣舞(すまい)づくりは訪問者を感動させないはずがない。連鎖は自然の摂理。

私はシンフォニーを聴くときに4楽章の構成が気になる。音楽に於ける起承転結でもあるから。
「謝安学紹」(しゃあんがくしょう)の響きは三楽章(さんがくしょう)に聞こえる。シューベルトの交響曲:未完成は3楽章で終わっている。(実際に完成している楽章は2楽章であるが)築縁会は常に作りこんで育て上げていくものでもある。いわば未完成であり、常に進行形:INGでもある。
これからもこの会を豊かな実のあるものとして、皆で育て上げてって欲しいと節に祈るものである。

今年も雪吹雪く中皆で感謝をお伝えし、お客様からは感動・笑顔を沢山頂いてきました。
万謝!

第11回 築縁会 長岡が2010年2月6日(土)・7日(日)に行なわれました。

第11回 築縁会 長岡今年で11回目となりました築縁会長岡です。
大勢の築縁様からご参加頂きましてありがとうございました。
高田スタッフと木族の会メンバーと2日間で約80件の築縁様宅を訪問させていただきました。
「待ってたよ」という築縁様の明るい笑顔に癒されたり励まされた2日間となりました。
参加した木族の会メンバーからは、工事中は築縁様に会うことは少ないが、こういった形で住まいづくりに参加した人
みんなで喜べる・笑える・話ができるこの会は今後も大切にしていきたいといった声がありました。
築縁様に喜んで頂けることは、スタッフや工事に携わる人達にも元気をくれるんですね。
築縁様からお聞きした貴重なご意見や感想などは、これからの高田の巣舞づくりにドンドン活かしていきたいと思っております。

  築縁様からのコメント
●天窓とロフトはお気に入りスペースです。浴室やトイレなどの水回りがしっかりしていて良いですね (ka様)
●大変満足しています。
メンテナンスもしっかりしてもらっているので安心です(Na様)
●2階ダイニングカウンターからのつながりがすごく良かった。リビングの勾配天井や、窓からの景色も素晴らしい。これかもお客様の声を聞いて、要望を取り 入れた住まい作りをして欲しいです。(Ta様)
●色々考えて増築・リフォームして良い結果になって良かった。30年で壊すのはもったいない(ka様)
●築縁会が年に1度の住まいの点検をする機会でした。(Si様)

*過去の築縁会

投稿者:高田 |

暦は正に往路に対する復路である。
見えなかった反対側が少々見え始めた。

*巣舞いづくりのお手伝いさせていただいた建物が、時を経て今度は反対に私達に語り始めることが多々ある。
言葉が発言者を越えて独り歩きするように、つくられた建築物がブーメランの様に一周して多くのサジェスチョンを持参してくれるのである。
単に、忘れていたことではないかと一蹴されそうであるが?単なる健忘症として片付けたくないのである。
巣舞いづくりは、一回性と言う信念・心情を強く持ち続けて来たことの証でもある。
後ろを振り返らず、前のめりに集中してつくり上げてきた結果である。それでも、すっかり過去のものとして忘れていた自分に気がつかされた時のショックは大きい。
還暦になって余計にその感を強くした。今までは往路であったので振り返ることをしなかったようである。と言うよりは苦手であったと言った方が良いかもしれない。全てのエネルギーは、新しいものをつくり上げて行くのに費やされていた様な気がする。しかし、現在は復路の景色を見るようになった。正確には見ることが出来るようになった!と言ったほうがいいかも知れない。
今年は見学会が500回目を迎える年である。500回はやはり一つの節目である。どんなイベントをやるよりも還暦にちなんで振り返ってみることの大切さを覚え始めた。
建てさせていただいた建築は2000棟になろうとしている。本当に感謝である。しかも、弊社の方針としては一軒として同じ建築をつくって来なかったことだけは自負に値すると胸を張る。(こんな大仰なことを言った後ですぐ反省)
建築主様の想いを放題紙(想い放題・言いたい放題・書きたい放題)に書いてもらい、我が家だけのすまいづくりのお手伝いをさせていただいたからである。
*燕市で建築されたI様は、第486回目の見学会である。4月24日・25日・26日の土曜日から月曜日に開催された。
コンセプトは「栞(しおり)の家」!建築主様が小学校の先生でもあり、書籍が沢山あるのでその書物をインテリアのツールにしようということになり、書棚を楽しくデザインすることができた。
一面性の書棚ではなく、階段室を巻き込んだ立体的な書棚はとても楽しいことである。書籍の様々な文字スタイルやカラーカバーが並んだ時を創造するだけで余計に楽しくなってしまう。巻き込んだ書棚に書斎机が配置されとても居心地の良い空間が出来た。
I様邸のゾーニングで一番困ったのは、その土地選びの時の迷いがそのままプランニングに現れている。
そしてその迷いを見事プランニングで解決できたことである。
南側道路に面した敷地は、反対側にある程度の広さを持った空き地があることである。そのまま空き地であれば南側に面する位置に居間を配置したであろうが、この空き地に、もしもマンションのような建築がされた時は大変居心地の悪いすまいになってしまう。
そこで敢えて、北側にリビングを持ち込む。そのリビングに南東の光を取り入れるためにコートを取る。採光シミュレーションをして実現した空間はとても居心地がいいものになった。建築主のI様からは絶賛を頂いた。
ゾーニング・プランニングの第一条件に採光の取り方がある。採光方式のバリエーションは即、豊富なデザインを生み出してくれる。いずれにせよ、採光は建築の空間づくりに大きな影響を及ぼしているのである。
往路で作り出した採光デザインを復路で実例を振り返ると本当に多種多様である。
・インナーコートを取って採光する。
・天窓・トップライトを取って採光する。
・採光塔をつくって北側に光を落としこむ。(T病院第4病棟 N様邸)
・北側居間にトップライトから南光を取り入れる。(ケアーハウスT)
・東側道路に開放している窓を南北に三角形の出窓でかませる。(M様邸)
・南面太陽光を完全遮断する。スリットで対応して落ち着いた暗さ空間を(居包陣住宅)
・Etc.etcである。採光方式も様々である。ここを成功すると住まい作り全体が成功する。


I様邸の書斎は階段横に!書棚は階段室を取り囲むように書斎とマッチングし手を伸ばせば届きそう


渡り廊下床もガラス張りで光を透過  階段室から見る書棚  北側リビングにもたっぷりな南側陽光


南西側外観(シンプルビューティー)                      南側エントランスを観る

投稿者:高田 |

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